2017東京インターナショナルオーディオショウ(番外編11)

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番外編11

前回に続き、2017東京インターナショナルオーディオショウをレポートします。

ステラゼファン

このブースは初めての体験ですが、今回一緒に見学している仲間の提案によって訪れました。ここはStella Inc.とzephyrn inc.の共同ブースでどちらも海外オーディオ製品の輸入商社のようです。入場してまず目についたのは、VIVID AudioのスピーカーGIYA G1です。フェラーリイエローのカメレオンを連想するような独特な筐体、価格は約800万円もします。

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音に関するコメントは後に回します。入場した時には、イギリスのアナログシステムブランドSMEのCEOスチュアートさんが挨拶をしていました。ゼファンが取り扱いを始めたことによります。写真はSMEの新製品のレコードプレーヤーです。

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このブースの特徴ですが、アナログ展示に力を注いでいます。SMEはこのブースの新参ですが、ステラが企画開発を行っているTechDASのターンテーブルがメインです。さらにそれを強烈に印象付けたのは、その後に登壇したゼファン西川社長の紹介によるラッカー盤の演奏です。

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そのソースは、ステレオサウンド社からリリースされている「谷村新司<ベスト>」、ハリーベラフォンテ、以前にもデモして好評だった美空ひばりなどでした。特に谷村新司とファリーベラフォンテは、この講演の日ごとにカッティングしたものとの事で、スクラッチノイズがありませんでした。どの演奏もアナログオーディオ特有の安定した骨の太い音でしたが、再生に使用されたTechDASのターンテーブルによるところが大きいとおもいます。

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この再生音を支えるパワーアンプは、Constellation AudioのヘラクレスⅡです。バランス構成のモノラルパワーアンプで、出力段にN-MOS FETをつかった125Wのアンプを8基組み合わせて、総合出力1KWを叩き出す仕様となっています。なんとお値段はペアで29,000,000円でした。このような展示会でなければ体験できない高額なシステム構成です。ラッカー盤の再生が始まると、目の前にまるでステージが浮かぶような印象を受けました。

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このブースは初めてでしたが、会場は広く、超高級品が沢山並べられていて、それらを使った他では体験できないデモが良かったとおもいます。

パナソニック

日本の総合家電メーカーで唯一出展しています。昨年同様に、D棟1Fの離れた場所にポツンとブースを構えていました。パナソニックに関する事前情報は、SL-1200シリーズのターンテーブルが復活した事くらいでしたが、訪れてみるとターンテーブルの展示に一番スペースがとられていました。

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私が学生の頃に販売されていたSL-1200シリーズのモデルは、SL-1200mk2です。ネットで確認したところ発売は1981年で定価が75,000円とのことでした。ストロボスコープ、クオーツシンセサイザー連続ピッチコントロールダイレクトドライブモーターが特徴でした。

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現在販売されているものは2機種でSL-1200G(2016年9月発売、定価330,000円)とSL-1200GR(2017年5月発売、定価148,000円)です。

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両者の1番の大きな違いは、SL-1200GRでモータがダブルロータからシングルローター化されてトルクが下がり、影響を軽減するためプラッターの総重量を1Kg以上軽くしているとの事です。プレーヤ以外のラインナップはアンプ、スピーカーと揃っています。訪れた時間が早く、音は聴いてきませんでしたが、試聴室のセッティングは良さそうでした。

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LUXMAN

ブースに入ってまず目に付いたのが、focalのスピーカーMAESTRO UTOPIA EVOです。

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LUXMANで取り扱いを始めた為にデモに使用されていました。昨年は、B&Wの802 D3が使われていましたが、私の音の好みではありませんでした。講演前のフリーの演奏の音は、いい感じでしたが、スペックを確認したろころ、比較的広帯域を受け持つツイーターに、ピュアベリリウムインバーテッドツイーターが採用されていました。ベリリウムツイーターの音が耳になじんでいるのかもしれません。2017年10月発売予定で、価格は6,800,000円(ペア)です。講演が始まる前にデモのシステムを確認します。

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アンプは、昨年のデモにも使用されたM-900uです。モノラルで使用されていますが、アンプの詳細は、2016年10月7日の記事を参照ください。

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それでは、和田博巳先生の講演を紹介します。

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和田先生は、数年前にフランスのフォーカル社を数日に渡り表敬訪問した事があり、その時のフォーカル社の印象は、とにかく良い環境で設計生産されているとのことでした。デモは持参された音楽ソースに対して持参した理由を説明した上で聴かせていただきました。印象に残ったのは、2017年版のサージェントペパーズロンリークラブバンドです。4トラックの4本のマスターテープを一旦デジタル化して、それをデジタル処理でミックスダウンしたものだそうです。私が持っているオリジナルのCDと明らかに違う事がわかり、自宅のシステムでも違いを聴いてみたいと思って帰宅後にアマゾンで注文してしまいました。

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もう1枚は、2年前のアメリカのオーディオショウで多くのブースで演奏されていた物ということで、アラバマシェークスの「Sound & Color」から「Don't Wanna Fight」が演奏されました。このバンドは、黒人の女性ボーカル、ドラム、ベース、ギター構成のロックファンクバンドで、日本のオーディオショウでは演奏されないような曲とのコメントのとおり、HiFiシステムでじっくり聴くようの曲ではないと感じましたが、国民性の違いでしょうか?講演全体が単純に「いい音でしょう?」という聴かせ方でなかった点が良かったです。

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ヤマハミュージックジャパン

昨年のリベンジということでブースを訪れました。デモのやり方は昨年同様にコンパニオンの方の曲紹介による演奏形式です。昨年とは異なり部屋の低音の処理も気にならず、NS-5000はいい感じで鳴っていました。

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昨今のアナログレコードブームの影響なのか、アナログプレーヤーが参考展示されていました。

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私が学生時代に欲しくて買えなかったGT-2000を彷彿とさせるスタイルです。GT-2000は1982年発売で138,000円でしたが、このモデルの価格は遙かに高くなると予想されます。

まとめ

昨年と比べて人出がやや少ない印象でしたが、客層は外人、女性と昨年同様に多様でした。但し、若者が殆ど目につかず、オーディオは高級な趣味と再認識させられました。これだけの展示や講演を無料で体験できる事を考えると良いイベントだとおもいます。

 

おわり