安定化電源製作(製作編3)

f:id:torusanada98:20171123163512j:plain

製作編3

正電圧安定化電源の回路実装を先行して行います。

正電圧電源回路実装

初めての安定化電源の設計製作なので、念のため正電圧電源回路の実装を先行し、動作確認を行い、問題なければ他回路の実装を行いたいとおもいます。最初にフィードバック用のトランジスタを配線がシンプルになる事を考慮してドライバと垂直となる向きに実装します。続いてエミッタGND間に6.2Vのツェナーダイオードを実装しますが、後の配線を考慮してトランジスタを実装したため、シンプルに配線ができます。次にツェナーダイオードのノイズ吸収用の1uFのフィルムコンデンサを実装します。4.7uFのフィルムコンデンサーほどではありませんが、残り実装スペースを考えると大きな部品です。

f:id:torusanada98:20171123163536j:plain

事前検討で出力端子台の脇に配置することにしていたボリュームですが、実装スペースがあれば、基板の中程へ持ってくることも考えていましたが、このコンデンサ実装時点で残りのスペースが少なくなった事からあきらめる事にしました。次にツェナーダイオード用のバイアス電流を流す抵抗を出力に接続します。この抵抗のリードを使って出力端子台までの配線を行う事にしました。そのラインの途中にドライバのエミッタを配線しました。次はドライバのバイアス電流を流すCRDと抵抗を配線します。今回購入したダイオードは小信号用ダイオード(別の製作で使用します)とこのCRDの2種類ですが、CRDと思われる部品の小袋には何の記載もありませんでした。

f:id:torusanada98:20171123163630j:plain

念のためCRDの捺印を確認してから実装したいとおもいます。図はCRD仕様書の抜粋です。定格電流値とロット番号が記載されています。今回使用するCRDは1mA品(E-102)なので、「10」の捺印がされているはずです。

f:id:torusanada98:20171123163707p:plain

現品を直に見ても見ようとする気持ちに目がついてきません。口外していませんが、通勤鞄にいつも忍ばせているルーペを使いなんとか確認することができました。

f:id:torusanada98:20171123163749j:plain

CRDは大物の4.7uFフィルムコンデンサと電源の平滑出力に接続します。平滑出力は他にダーリントントランジスタのコレクタとそこにつながるパスコンがありますが、一つにまとめて、被覆線で平滑出力から1本で配線する事にしました。できる限り被覆線の使用を抑えて、配線をすっきりさせる事が狙いです。被覆線の使用を抑える為に、今回手製のジャンパを使用しました。部品のリードの切れ端をコの字に曲げてジャンパーに加工して部品面からGNDラインをスキップさせました。

f:id:torusanada98:20171123163843j:plain

フィードバックトランジスタの位相補償用のコンデンサは、部品面に実装せずにトランジスタのリードにダイレクトに接続します。このため実装は後に回します。次に出力回路の配線を行います。出力電圧調整用のボリュームは、使い勝手を考慮して時計回しで電圧が上がる用に使用します。具体的には、時計回しでGNDに接続された抵抗側端子と摺動子端子間の抵抗値が小さくなる用に配線します。

f:id:torusanada98:20171123163930j:plain

最後に出力位相補償用のCRを接続し、平滑出力と安定化電源入力を配線して1回路分が完成です。実装パターンを良く見ると出力端子台用GND配線と最初に引いた回路2用GND配線が平行して配線されていて、回路2を回路1と同じ部品配置ができない事がわかりました。仕方がないので最初に配線した回路2用GND配線を削除して、回路2のGNDは出力端子台用GND配線を流用することにして、回路2の実装エリアを拡大しました。最初の写真がGND配線削除前で、次の写真が回路2用GND配線を削除した完成配線です。

f:id:torusanada98:20171124031704j:plain

f:id:torusanada98:20171123164146j:plain

次回は完成した正電圧安定化電源の通電確認を行います。

 

つづく(製作編4)