中華製発振器導入(番外編15)

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番外編15

中華製発振器を導入しましたので経緯と使い勝手を紹介します。最後に改造もしてしまいました。

発振器

今まで使ってきた発振器は、地味な機器なのでお金をかけたくないと考えて、家内にKENWOODのAD-203Dをオークションで落札してもらったものです。1万円を渡し、落札金額との差額が手数料としました。この発振器を1年程度使ってきましたが、一番使用頻度の高い1KHz~10KHzレンジの出力レベルが不安定で、騙して使うのも限界を感じてきました。ケースを開けて基板を見てもディスクリート構成で回路図もないため手がだせませんでした。そんな時、別件でアマゾンを検索していると、中華製の発振器に目がとまり、気づけば注文を完了していました。

中華製発振器

購入したものはKKmoonのデジタル信号発生器デュアルチャンネル任意波形周波数計200MSa/s 25MHz 7,899円というしろものです。注文して中1日で商品が届きました。

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無地のダンボールに最低限のシールが貼られているだけのシンプルな梱包です。中身が入っているのか心配になる程軽いです。あけてみると、本体の上にUSBケーブルと8cm CDが見えます。

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中身は、本体、ACアダプタ、USBケーブル、BNC-ワニグチケーブル2本、ソケットアダプタ、8cmCDです。

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これだけのセットを8千円以下で販売されてしまうと、日本メーカーは太刀打ちできないとおもいますが、あとは品質と使い勝手次第です。早速電源を入れてみます。

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2列の液晶表示は視認性はいいです。その隣に3個のLED表示があります。写真ではわかりにくいですが、セット内部で光漏れしていて全てが点灯しているように見えます。上からCH1, CH2, OUTです。その横に6個のSWと、ダイヤルが配置されていますが、クリック感と回した感触ともに良好です。基本操作はPgUpとPgDnで設定項目を切り替えて、ADJUSTつまみで希望の設定を選びます。設定項目は液晶表示の下段に表示されます。希望の設定が数値の場合は、上段の三角キーで希望の桁に移動してADJUSTつまみで数値を設定します。表示上段は写真のとおり常に周波数が表示されているようです。頻繁に使用する設定は、SHFTキーと他5個のキーの組み合わせで設定します。CH1/2は操作対象のチャンネル切り替えで、設定されているLEDが点灯します。SETは2段表示される設定項目の操作対象を上下で切り替えます。WAVEは出力波形の選択項目に、AMPLは出力レベル設定項目に切り替えます。OUTは出力のオンオフ切り替えです。この切り替えはリレーが使用されていて電源オン時とオンオフ切り替え時にリレーの動作音がして格好いいです。このように操作性はよくありませんが、慣れればなんとかなる範囲です。以下主な設定と出力波形の確認です。

■1KHz位相差90°

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■1KHzDCオフセット100%

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■1KHzCH2矩形波

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■1KHzCH2三角波

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■高周波出力波形(1MHz)

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■高周波出力波形(10MHz)

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他にもスイープ設定や、ゲート機能、周波数カウンタなど豊富な機能を持っています。機能面で不満に思った事は出力調整のミニマム値が0.2Vな点です。ATT機能があれば尚良かったとおもいます。

LED表示光モレ改造

上の暗い状態の写真が、人が見た印象に近いです。購入して早々ですが、改造してみる事にしました。ケースを開けるためには、ボトムカバーの4本のねじを外します。

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この状態でトップカバーを上に持ち上げるとカバーがはずれます。次にフロントパネルを外しますが、ボトムカバーにかかっている爪を折らないように注意します。フロントの基板と本体の基板は4種のハーネスで接続されていますが、外す前にマーキングして組立時の差し間違えを防ぎます。本体の基板と正面パネルの基板は以下のとおりです。

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次に正面パネルのLEDが実装された基板を外します。

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案の定、光モレの対策は一切されていません。対策をどうするかしばし考えましたが、以前、ビバホームで購入した端末保護キャップが使えるのではと思い立ちました。

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太さは2.0mm, 2.5mm, 3.0mmの3種類を持っていましたが、LEDの根本まで差し込むためには、3.0mmを使う必要がありました。このキャップを適当な長さに切ってLEDにかぶせました。写真は2個のLEDに被せた状態のものです。

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基板をフロントパネルに取り付けると、構造上キャップは外れなくなるためキャップの固定はしません。基板を元通り取り付けますが、取り付け用のネジは、ボトムカバーのものも含めて全てタッピングのため優しく締め込みます。組立後、暗い中の表示は以下のとおり改善できました。写真はCH1が選択されています。

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任意波形の機能等、まだ紹介しきれていませんが必要に応じて確認したいと思います。早速、次回の安定化電源製作の評価編から使用したいとおもいます。

 

おわり(番外編15)