女神たちの争い(製作編2)

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製作編2

片チャンネル分のフィルタ基板の実装が完了したので通電確認を行います。トラブル多発でめげそうになりました。

通電確認

初めに、オペアンプを実装せずに電源を入れて各部の電圧確認を行います。電源にはユニバーサル電源を使用し、+/-12Vを供給します。いつものとおり念のため、100mAで過電流保護を設定しました。楽勝とおもい電源オンしたところ、+電源側で過電流保護が働きました。写真は、撮影用に保護の電流値を50mAに下げて撮影したものです。

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左が通電前の設定状態で、出力12Vで過電流保護設定50mAとなっています。右が出力をオンし、過電流保護が働いている状態です。右上のボタンのランプが赤で出力状態を示し、その隣に2つのボタンがありますが、右が+出力用で赤く点灯していて過電流保護が働いている事を示しています。表示は、電流が49mA流れていて出力が0.01Vまで下がっている状態です。基板を取り外し、ハンダ面の配線を何度も見直しましたが、+電源系の配線に異常は見つかりませんでした。一旦休憩をとろうかとおもいつつ部品面を眺めたところ、原因がわかりました。今回、被覆電線の使用を削減するためにジャンパを多用しましたが、そのジャンパとハンダ面の配線固定用に基板に挿した電線がショートしている部分を見つけました。(写真中央)

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ジャンパ線が+12V電源ラインで、ハンダ面から突きでている電線がGNDラインです。GNDライン側をカットしてここからGND電線が出ないように対策しました。この対策で+電源系のショートは直りました。このトラブルでかなり時間をとってしまいましたが、気を取り直して続きの確認を行います。

通電確認つづき

今回の基板上の半導体オペアンプ3個のみです。従って電圧の確認はオペアンプ用のソケットの各端子の電圧が主なポイントとなります。1難去ってまた・・・。MUSES01用のソケット4pinは-電源端子ですが、何故か+12Vが供給されています。さらに2つのMUSES03用ソケットの4pinも-電源端子ですが、オープン状態の電圧表示となっていました。基板をはずしてハンダ面を確認したところ、-電源系が一切接続されておらず、おまけにMUSES01の-電源端子に+電源が配線されている事がわかりました。自分の注意不足を反省しつつ配線修正および追加を行いました。写真右が修正前で左が修正後です。

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写真右上に電源用の3極の端子台があり、その左側が-電源端子ですが、電解コンデンサの配線しかされていませんでした。(写真左)この修正で被覆電線が2本追加となりましたが、3個のオペアンプ用ソケット各端子の電圧は想定値となりました。

オペアンプの実装

前回の記事で紹介したとおり、今回からオペアンプをソケットに挿した状態で基板ソケットに実装します。基板実装時は、ソケット2段積みとなります。

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初めにMUSES01のみを実装して、通電確認します。各端子の電圧に問題ありませんでした。次にMUSES032個を実装して、同様に通電確認します。

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全ての端子の電圧に問題はありませんでした。強いて言えば、出力のオフセットが少し大きめな点が気になりましたが、調整のしようがないので気にしないことにしました。それぞれの電圧値は、Hot-chが約2mV、Cold-chが約5mVでした。出力オフセット電圧は、正規の電源に接続した状態で改めて測定したいとおもいます。

周波数特性の測定

この測定で、今回最大のトラブルが発覚しました。このため測定の詳細は別途とし、発覚したトラブルのみ紹介します。測定は10Hzから600KHz周波数応答を確認します。結果は順調にとれたとおもいつつ、グラフにしたところ減衰の傾きが設計よりもなだらかとなっていました。オペアンプの変更だけで傾きが変わる?わけはありません。今度はなにをやらかしてしまったのでしょうか?次回は、このトラップの真相を明らかにし、通電確認の続きを紹介します。

 

つづく(製作編3)