スピーカー周波数特性測定(測定編)

f:id:torusanada98:20180407082724j:plain

測定編

測定環境の準備が完了したので常用システムのスピーカー周波数特性の測定を行います。

測定環境おさらい

前回までに準備した測定環境をおさらいします。スイープ信号は、「WaveGene」で生成した音声ファイルをPCで再生し、USB経由で常用システムのUSBDAC(DAC-1000)へ入力します。それ以降のスイープ信号の再生は常用システムで行います。スピーカーで再生されたスイープ信号をマイクロフォンで拾い、SoundBlasterへ入力してデジタル化してUSB経由でPCへ入力します。そのデータを「WaveSpectra」で解析します。簡単にブロック図を作成してみました。

f:id:torusanada98:20180412123252j:plain

お試し測定

スペアナソフト「WaveGene」には再生機能もあるので、スイープ信号の再生も行うつもりでいました。設定画面を立ち上げて、「再生/録音」Tabを選択し、「再生」をUSBDACに相当する「デジタル出力(2-USB HS Audio Device)」を選択し、「録音」をSoundBlasterのマイク入力に設定しスイープ音声ファイルを指定して再生します。

f:id:torusanada98:20180407082822j:plain

音声ファイルの保存フォルダに移動し、所定のファイルを指定します。この状態で再生ボタンを押すと再生を開始します。あれれ??録音の設定が無視されて再生ファイル自体のスペクトルデータが表示されてしまいます。設定を見直しましたが、特におかしな点はなさそうです。他に関連する設定がなさそうなので、これはソフトの仕様と考えて、別のPCにUSBDACのドライバをインストールして、再生と解析環境を独立させる事にしました。

f:id:torusanada98:20180412123338j:plain

これでようやっと測定が行えます。マイクは、その昔Zライトの商品名で販売されていた電球スタンドのスタンド部分を応用したマイクスタンドを購入してスピーカーの正面にマイクをセットしました。位置はスコーカーの正面ややツイーター寄りとして、距離を約1mとしました。

測定

スイープ信号の再生にはMediaPlayerを使いました。常用システムのボリューム制御は、チャンネルデバイダのウーハー用ボリュームとスコーカー+ツイター用ボリュームの2つを調節します。

f:id:torusanada98:20180407083112j:plain

簡易測定をしてその2つのレベルバランスをとった状態で最初の測定を行いました。結果は以下のとおりです。スコーカーが受け持つ帯域にやや特性の乱れが見えますが、部屋の反射波の影響と思われます。思いの他いい感じの測定結果となっています。

f:id:torusanada98:20180407083257j:plain

マイクの特性は15KHzくらいからレベルが下がり始め、20KHzで5dB強下がっている事を考慮して測定結果を見直すと、高域は20KHzくらいまでほぼフラットな特性となっていると考えられます。

f:id:torusanada98:20180407083332p:plain

心配したウーハーとスコーカーのクロスオーバー付近(500Hz)の特性の大きなディップはありませんでした。先に掲載したチャンネルデバイダの2つのボリュームにそれぞれ2カ所づつマークを貼っていますが、それぞれ音楽を聴く際のボリューム位置を示しています。2カ所あるのは、CDの録音レベルに大きなものと小さなものがあるので、それぞれのボリューム位置を示しています。次の測定は、その常用のボリューム位置で特性の測定を行います。そのままボリュームを設定すると音が大きくなりすぎるので、再生側のMediaPlayerのボリュームを調整しました。測定結果は以下のとおりです。

f:id:torusanada98:20180407083418j:plain

先の測定結果に比べて、低域のレベルバランスがやや高くなっていますがほぼフラットな特性と言えるのではないでしょうか?

1000Mのネットワーク

先にも紹介したとおり、1000Mの各ユニットのクロスオーバーは、正相-正相となっています。気になるネットワーク回路ですが、ネット上の情報で以下のとおり確認できました。

f:id:torusanada98:20180407083502p:plain

せっかくなので、ネットワーク回路からコイルを取り外してLCRメータで測定する事も考えましたが、購入から30年以上経過しており余計な負荷をかけたくなかったので、測定を断念しました。今回の確認では、正相-正相接続の工夫の確認はできませんでしたが、チャンネルデバイダーとオリジナルネットワークのクロスオーバーポイントの特性の乱れがない事の確認ができました。

 

おわり(測定編)