安定化電源性能改善(試作編1)

f:id:torusanada98:20180418223842j:plain

試作編1

オペアンプを誤差アンプに使った安定化電源の設計が終わったので性能検討用に試作を行います。

試作方針

前回の安定化電源の製作は、ほぼ作りっぱなしで性能改善検討はしませんでした。今回は、性能改善が目的なので初めに性能検討用に試作を行い、狙った特性の確認ができた時点で常用するための電源基板を新たに製作します。最初に+電源を試作し、性能確認および検討を行います。続けて同じ基板上にー電源を試作し、性能確認と検討を行います。

+電源の試作

試作電源基板への電力供給は、ユニバーサル電源で行う為、常用する電源基板の初段に搭載する全波整流回路は搭載しません。性能改善検討を考慮して実装密度を下げて作業性を上げたいとおもいます。最初に放熱器と入出力の端子台の配置を決めます。残りは実装しながら決めていきます。上から見て、基板右側を+電源用とします。入出力端子台は+とー電源用で共用するため、3極品を基板の長辺のセンターに配置しました。放熱器は出力用端子台側の+電源用エリアセンターの配置としました。

f:id:torusanada98:20180418223907j:plain

放熱器は1本ボスタイプなので、ユニバーサル基板のスルーホールを広げて装着できる用にします。スルーホールを広げるために2mmのドリルの刃を使っていますが、2mm径では穴が大きすぎて、放熱器の固定にガタがでます。次回の製作までにさらに径の細いドリルの刃を調達したいとおもいます。放熱器は輸送等の振動が加わる事がないので放熱器に取り付けたトランジスタの足のみで固定します。次に、入出力端子台間のGND配線を行います。これを実装の起点とします。

f:id:torusanada98:20180418223952j:plain

次にベース抵抗と、オペアンプのソケットを実装します。オペアンプのソケットの位置は、ベース抵抗の配線とオペアンプのGND配線を考慮して決めました。配線の都合でオペアンプは回路2(5,6,7pin)を使用する事にしました。残りのオペアンプ回路1は、ボルテージフォロワ構成(1pinと2pinを接続)として3pinに回路2と同じ信号(電源出力の分圧)を入力しておかしな動作をしない用に処置をしました。

f:id:torusanada98:20180418224030j:plain

次にオペアンプ用のパスコンと出力電圧調整用のVRを実装します。あ!またやってしまいました。VRは500Ω品を買うところを、5KΩを買っていました。どうしようかしばし考え、調整の感度が気になりますが、VR両端の抵抗を削除してVR1発の調整回路に変更します。購入したVRの定格電力は0.5W/70℃なので、今回の構成としても電力上の問題はありません。

f:id:torusanada98:20180418224110j:plain

残りのCRD、ツェナーダイオード、出力の補償回路を実装して完成です。尚、オペアンプのー入力と出力間に入れる位相補償用のコンデンサは取り付けていません。通電時に様子をみながら定数を決定するつもりです。

f:id:torusanada98:20180418224156j:plain

半田面はこんな感じです。1本だけ被覆ジャンパー線(オペアンプの負荷抵抗10KΩのGND配線)を使用しました。

f:id:torusanada98:20180419043235j:plain

最後にオペアンプを装着します。

f:id:torusanada98:20180418224321j:plain

ここのところミスが多いので入念に配線の確認を行いました。特に問題はなかったので通電確認をします。

通電確認

電源は、ユニバーサル電源から少し高めですが16.9Vを供給します。各部の電圧確認ができるようにマルチメーターをセットアップします。出力はポケットオシロで波形モニタができるようにしておきます。初めての通電はいつも緊張しますが、とりわけ電力を扱う回路の通電はなおさらです。覚悟を決めて電源オンしました。過電流保護も働かず、特段変化はありません。しかし、オシロの画面には発振波形が表示されていました。周波数は約300KHzです。

f:id:torusanada98:20180418224404j:plain

作りっぱなしではこんなものでしょうか?試しに出力電圧調整用のVRを回してみましたが、出力は全く変化しませんでした。次回は発振対策から通電確認の続きを行い、その後性能確認を行う予定です。

 

つづく(試作編2)