安定化電源性能改善(製作編2)

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製作編2

通電まで終わった正電源ch1の性能確認を行い、引き続き負電源ch2の実装を行います。

矩形波応答

今までの確認と同様に、負荷電流を10mAと70mAの波高値の1KHzの矩形波とします。立ち下がりと立ち上がりの過渡応答波形は以下のとおりです。

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それぞれの過渡応答電圧は、41.6mVと52.0mVでした。結果の比較がしやすい様に、今までの結果と今後確認する結果と合わせて表を作成しました。

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表中の空欄は今後確認予定分です。今回のch1の結果は、試作基板の結果とほぼ同じとなっていました。現行基板の負電源の結果がありませんので、基板載せ替え時に確認してみます。

インピーダンス周波数特性

これも今までの測定と同様に、負荷電流のピークを10mAと70mAの正弦波状に制御し、10Hzから100KHzの正弦波応答を観測してインピーダンス特性の測定を行いました。最初に100Hzの応答波形を確認しました。

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試作基板の特性測定時と同様に微少な発振波形のような物を確認しました。この発振波形ですが測定対象の電源基板をオフしても観測されるため、外来ノイズと考えて無視する事とします。従来、レベルの観測はポケットオシロのVpp値を使っていましたが、このノイズが応答波形に重畳された波形を拾ってしまうため、画面上のVpp値は40mVとなっています。一方、ポケットオシロのカーソル機能を使った結果ΔVは28mVとなります。測定に多少時間はかかりますが、今回からカーソルを使った測定に切り替えました。下記がこの測定方法を使った結果です。

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試作基板の結果は、定数変更前(位相補償=1000pF, オペアンプ負荷抵抗=10kΩ)のものを掲載しています。変更後の結果は発振波形により中低域の結果が悪くなっている為です。2KHz以上の周波数域でch1の結果が良くなっているのは、定数変更の効果と考えられます。ここには掲載していませんが、現行ディスクリート方式の安定化電源に比べて測定した全帯域で良好な特性となっている事が確認できました。音質比較が今から楽しみです。

負電ch2源回路実装

続いて、負電源ch2の実装を行います。実装の基本方針は正電源ch1回路と同様です。試作基板実装の際に配線を間違えたオペアンプへの電源供給を考慮して、オペアンプの向きを反転して配置する事としました。この方が電源端子への配線が短くて済みます。これに伴ってオペアンプの使用回路もチャンネル2からチャンネル1に変更しました。製作編1に掲載した常用基板全回路図はすでにこの方針を反映しています。

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このオペアンプ反転実装に伴い、オペアンプ回りの部品実装に気をつかいました。

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実装が終わってみると、ch1よりも素直に配線できた感じがします。

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上記写真では、各チャンネル間にGND配線がされている事が確認できます。また各チャンネルの電源線とGND間に出力配線用(トランジスタエミッタと電源出力接続)に1ライン空けた事も実装面で有利となりました。

負電源ch2通電確認

正電源ch1の通電確認と同様に、ユニバーサル電源からDC電圧を供給します。今回は負電源の確認なので-16..9Vを供給しました。VRを約3.8KΩにプリセットして、電源オンします。出力は-11V台だったのでVRを調整して12.00Vに合わせ込みました。ch1の通電とは異なり、何の問題もありませんでした。ch2通電時の各部の電圧は以下のとおりです。

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次回は負電源ch2の性能測定を行います。

 

つづく(製作編3)