安定化電源性能改善(製作編3)

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製作編3

常用基板負電源ch2の実装および通電確認が完了したので、特性の測定を行います。引き続き、正電源ch3の実装、通電確認を行います。

負電源ch2矩形波応答

今までの測定と同様にジグを使って矩形波応答を確認します。負荷電流は波高値60mAと0mAの1KHzの矩形波です。下記が観測結果です。

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立ち下がり時の過渡応答値は、78.0mVで立ち上がり時は、46.0mVでした。前回の記事で作成した「結果一覧表」へ本結果を追加します。

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今回の結果を見ると、試作基板負電源と全く同じ結果となっていました。転記ま違いかとおもい、波形のキャプチャを見直しましたが、微妙に数値が異なっている部分があり、この結果は正しい事が確認できました。傾向的に立ち下がり時の過渡応答値が大きく(78.0mV)なっていますが、ch4の結果に注目したいとおもいます。

負電源ch2インピーダンス周波数特性

今までの測定と同様に波高値0mAと60mAの正弦波を10Hzから100KHz振って応答波形を観測しました。

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レベル観測は、前回の記事で説明したとおりポケットオシロのカーソル機能を使います。下記がインピーダンスの周波数特性の結果です。

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結果を見ると、試作回路、三端子レギュレーター版と比べて可聴帯域内では、一番良い特性となっています。20KHz以上で三端子レギュレータ版の特性が良くなっているのは、出力段に取り付けた100uFの電解コンデンサの効果によるものです。音質比較がますます楽しみになってきました。

正電源ch3実装

ch3の実装は、完全にch1実装をまねるだけで済みます。正直なところ惰性の実装です。この油断がミスを招いてしまうのですが。唯一、考えた点は、全波整流回路から安定化電源への+電源の引き込みです。ch4のー電源の引き込みを考慮しつつ、配線が容易となるように、ブリッジダイオードの+出力へ配線を行いました。

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ch3実装後の写真を取り忘れてしまい、一部ch4の配線がされていますが、ch3の電源引き込みラインをch4の電源およびGNDの配線にジャンパーを使って逃がしている部分が確認できます。部品面はこんな感じです。

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今回の製作では、試作基板と常用基板用にオペアンプを4個しか購入しませんでした。当初は、ch1とch3およびch2とch4でそれぞれ1つのオペアンプを共用する予定でしたが、実装面で現実的ではないとの判断から、各チャンネルで専用にオペアンプを実装する方針としています。このため、オペアンプが足りなくなってしまい、試作基板に実装した分を使い回して、対応する事としました。

正電源ch3通電確認

ch3の確認のみを行うため、ユニバーサル電源から+16.9Vのみを供給して確認を行います。ここまでくると、ミスもなくなり出力電圧調整も問題なくできました。下記が調整後の各部電圧確認結果です。

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ch1の電圧と比較して、やや高めの電圧になっていました。

正電源ch3矩形波応答

測定条件は、他のチャンネルと同じにして観測しました。下記が観測結果です。

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左が負荷電流立ち下がり時で、過渡応答値は46.0mVで、右が立ち上がり時で、58.0mVでした。一覧表に結果を追加しました。

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試作基板の結果、ch1の結果と傾向的には同じですが、ch3の結果はややおおきな値となっていました。次回は、ch3のインピーダンスの周波数特性の測定とch4の実装、通電確認をおこないます。

 

つづく(製作編4)