チャンネルデバイダーのVR制御(設計編2)

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設計編2

各基板の回路設計が終わったのでシャーシの設計を行います。

ATTユニットのケース加工

構想編11でざっとシャーシへの基板実装の検討をおこないましたが、今回のケース製作の難易度は比較的高いです。ポイントは以下のとおりです。

1)基板、トランス等実装部品が多く、それらを部品間の干渉なく実装する

2)リアパネルにXLRパネルコネクタを12個実装する

3)正面パネルの表示部の加工

2項と3項は努力でなんとかするしかないので、まずは1項の検討を行います。

シャーシ加工

選定したケースはタカチ電機工業のUS-320LHです。バランスヘッドフォンアンプの製作で使ったケースです。外形はW320xH84xD230です。最初にボトムシャーシに部品実装できるフットプリントを明確にします。このケース下図のとおり、フロントパネル、リアパネルともに取り付け用のフランジが12mmがあり、この範囲への部品取り付けはできません。

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さらにフロントパネルは、ボトムシャーシ端から5mm奥に入った位置に固定されます。従って、ケースの奥行き230mmに対してボトムシャーシの部品取り付けが可能な奥行き長は以下となります。

230 - 12 x 2 - 5 = 201 mm

部品実装が可能は幅は、フランジを含めたパネルの幅となるので、316mmです。

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下記の部品は、316x201mmの範囲に配置する必要があります。

・ATT基板3枚(95x72mm)

・バッファアンプ基板1枚(95x72mm)

・電源基板1枚(95x72mm)

arduino UNO基板1枚(約68.6x53.3mm)

トロイダルトランス2個(W65xD65xH34mm)

構想編11で確認を行ったように、まずは標準基板8枚を実装可能エリアに並べてみました。

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このうち3枚を削除し、1枚をサイズの小さいarduinoUNO基板に置き換え、トロイダルトランス2個を搭載します。部品の干渉要素としては、リアパネルのXLRパネルコネクタ、ヒューズホルダ、ACインレットとフロントパネルの表示基板、SW4個です。一応搭載部品を並べることができたので、後は実装時になんとかしたいとおもいます。

リアパネル加工

ケース加工のポイントでも上げたとおり、リアパネルにはXLRパネルコネクタを12個取り付ける必要があります。今まで、パネルコネクタを一番多く取り付けた機器はチャンネルデバイダの6個です。この加工を行った際にこれ以上は一度に加工できないと真におもいました。という事で、今回はタカチ電機工業の加工サービスを利用する事にします。A級モノラルBTLアンプ製作の際に1度利用した事があります。その時は、パネル厚が4mmと厚く加工に自信がなかったために利用しました。久しぶりの利用なので、スムーズに進むか心配です。利用上の注意点は以下のとおりです。

・タカチ電機の製品使用が前提で1点から受付可能

・個人利用の場合は、販売代理店経由での決済

・CAD(DXF/DWG)データ利用の場合は加工費5%オフ

図面作成

まずはいつも利用させてもらっているAR CADで加工図面を作成します。XLRパネルコネクタの取り付け穴は特殊なので図面作成はそれなりに大変でした。12個分コピペ対応し、さらにヒューズホルダとACインレット取り付け用の穴も作成しました。

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完成した図面を、CADソフトのエクスポート機能を使ってDXFデータに変換します。見た目には、それなりに見えますが加工データとして見るといくつもエラーが発生していないか心配です。見積もり用のフォームに添付して送付し、現在結果待ちの状況です。ケースの標準価格が8,340円ですが、加工費はどの程度になるでしょうか?次回はケースの加工の状況によって作業を決めたいとおもいます。

 

つづく(製作編1)