チャンネルデバイダーのVR制御(製作編14)

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製作編14

前回に引き続き、ATT基板の単体動作確認を行います。

入出力応答

前回、制御入力をしない状態で、通電確認まで行いました。今回は実際に制御信号を擬似的に入力して回路の応答を確認します。確認はアナログ入出力とGND端子間の抵抗値を測定します。参考として改めて回路図を掲載します。

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確認前に入出力応答の一覧表を作成しておきます。この表に沿って確認を進めていきます。

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■(P8,P9,P10,P11)=(0,0,0,0)確認

前回の記事で確認を行った制御入力未入力状態です。ミュート状態で分圧560Ωリレーがオンしています。前回確認を行ったので省略します。

■(P8,P9,P10,P11)=(0,0,0,1)確認

ミュートリレーが動作してミュートが解除されます。分圧560Ωリレーはオンしたままとなります。初めに出力端子とGND間の抵抗を測定します。

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正しく動作しています。次は入出力信号間の抵抗値を測定します。

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問題ありません。念のため12V電源の電流値を確認しておきます。左右チャンネルで4個のリレーが動作しているので48mAとなるはずです。

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やや小さいですが、正しく動作しています。

■(P8,P9,P10,P11)=(1,0,0,1)確認

動作する分圧抵抗用リレーが560Ω用から1.1kΩ用に切り替わります。出力端子とGND間の抵抗を測定します。

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他測定は今までの測定で確認できているので省略します。

■(P8,P9,P10,P11)=(0,1,0,1)確認

動作する分圧抵抗用リレーが1.8kΩに切り替わります。同様に測定を行います。電源オンした途端にユニバーサル電源の12V出力の過電流保護が働いたので、すぐに電源をオフしました。今までのの確認で問題がなく、RL3を動作させたタイミングで過電流が流れたことから、RL3駆動用のトランジスタアレイの出力が12V電源とショートしていると考えられます。2個のRL3を駆動しているそれぞれのトランジスタアレイ出力と12V電源間の抵抗値を測定しました。一方は、930Ωでリレーの操作コイルの抵抗値となりましたが、もう一方は案の定ショートしていました。配線を確認したところ怪しい部分が見つかりました。

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写真中央の被覆線がTの字に交差している部分のハンダ箇所がリレー操作コイル端子です。その被覆線と直角に交差している配線が12Vラインです。確認の為、ハンダを外して確認したところ、ハンダ付けの熱で被覆が溶けて12V電源ラインとショートしていた事が確認できました。

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以前にもこのようなトラブルがあり、耐熱性の高い電線を探しましたが見つからずトラブルを再発させてしまいました。ハンダ付け箇所に近い被覆部分に電線が交差する場合は、クリアランスを取る事を対策としたいとおもいます。今回対象の回路を駆動するトランジスタアレイにショート電流が流れましたが、過電流保護を100mAとしているため、ICへのダメージはないと考えられます。気を取り直して確認を続行します。出力端子とGND間の抵抗値は1.8kΩで問題ありませんでした。

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■(P8,P9,P10,P11)=(1,1,0,1)確認

動作する分圧抵抗用リレーが3kΩ用に切り替わります。同様に抵抗値を測定します。

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正しく動作しています。

■(P8,P9,P10,P11)=(0,0,1,1)確認

分圧抵抗用リレーは560Ωが動作し、倍率抵抗用リレーが動作して抵抗値が30kΩから3kΩに切り替わります。この為、入力端子とGND間の抵抗値は3.56kΩとなります。

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正しく動作しています。この状態の時、6個のリレーが動作して、通常動作時の12V系電流が最大の72mAとなります。念のため確認を行います。

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3つのトランジスタアレイICに触れてみましたが、温度上昇は確認できず全く問題ありませんでした。トランジスタアレイの電圧ドロップが約0.6Vのためこの程度の電流ではあまり発熱しない為と考えられます。これで一通り単体動作確認が終わりました。次回はマイコンに接続して実動作の確認を行います。

 

つづく(製作編15)