チャンネルデバイダーのVR制御(製作編21)

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製作編21

前回製作した電源基板の動作確認を行います。

動作確認

確認は、アナログ電源、リレー用12V電源、デジタル12Vと5Vの3回に分けて行います。電力は、トランスを使わずにユニバーサル電源からDC電圧を供給します。供給電圧は、トランス二次巻き線出力の正弦波の振幅に相当する16.9Vとしました。

アナログ用電源確認

参考として回路図を再掲載します。

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実回路は、トランスの2つの2次巻き線の一端を接続し、センタータップ付きの二次巻き線として使用して、整流回路に供給します。今回の動作確認は、上記で説明したとおり、ユニバーサル電源から+/-16.9VのDC電圧を供給して行います。各出力の負荷電流は、バッファ基板動作確認時に測定した26mAとなります。大きくないので、今回の動作確認は無負荷時の出力電圧のみとします。確認用の接続が完了し、緊張しながら電源オンしました。

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2系統ともにほぼ+/-12V出力となっていて問題ありませんでした。

リレー用12V電源確認

上記と同様に確認を行います。入力は+16.9VのDC電圧を供給します。まずは無負荷状態の確認を行います。出力はほぼ+12Vで問題はありませんでした。このチャンネルは、一番負荷が重く、そのために三端子レギュレータに放熱器を付けているため、負荷試験を行います。ATT基板1枚あたりの操作コイル電流の実使用時の最大値は約72mAでした。最終的に3枚のATT基板を駆動するので、トータルの電流は、216mAとなります。12V出力でこの電流が流れる場合の等価抵抗は、約56Ωとなります。抵抗の在庫を確認したところ、50Ω/5Wのセメント抵抗があったので、これをダミー負荷として使用します。この抵抗を直接出力用の端子台に接続しました。

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この状態で改めて電源オンしました。入力用のユニバーサル電源の電流値は、246mAを示しており、試験条件としては良い感じになっています。

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この状態でしばらく放置してから放熱器に触れてみました。触れないほどではありませんが、かなり熱くなっています。温度を確認するために、以前購入した非接触温度計を久しぶりに引っ張りだしてみました。

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一旦電源オフして、温度が下がるのを待ってからヒートシンクの温度を測定しました。この非接触温度計は、レーザーポインタ機能がついていて、測定対象箇所にレーザーを当てることでその部分の温度測定ができます。写真は、三端子レギュレータの頭の部分に赤色に光っている点がレーザー照射ポイントです。

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初めに常温時の温度測定です。

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結果は27.7℃でした。室温はもう少し低かったですが、温度が下がりきるまで待ちきれませんでした。電源オンしてしばらく放置します。初めにダミー負荷抵抗の温度を念のため測定してみます。

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結果は45,9℃でした。実際触ってみると触りつづける事が厳しい状況で、触ると放熱が阻害されて、表面温度はもっと上がっているように感じました。続いて本題のヒートシンク温度を測定します。

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結果は、35.7℃でした。測定時の室温が約25℃で、ケース内に納めて夏場の使用を考えても余裕の温度になっていました。

デジタル系電源

最後にデジタル系用の12Vと5V電源の動作確認を行います。どちらも三端子レギュレータの定格どおりの出力電圧となっていました。12V電源用の三端子レギュレータには、5V電源の電流も流れますが、リレー用12V電源の半分以下の電流値なので、放熱器の温度確認は省略します。最後に全チャンネル分の出力電圧を整理します。

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次回は、いままで製作した基板をシャーシに実装して実動作確認を行います。

 

つづく(製作編22)