番外編28
バランスヘッドフォンアンプを改造して、恒例となった年末を聴きます。元旦が火曜日なので慌ただしくアップしてます。
準備
あけましておめでとうございます。早いもので昨年の「自作アンプで年末を聴く」から1年経ってしまいました。昨年同様に、年末恒例の番組を自作アンプで聴いてみます。普段使っていない物を引っ張り出すので事前準備します。下記が今回使用するシステムのブロック図です。
今回も自作のバランスヘッドフォンアンプを使ってパイオニアのヘッドフォンSE-MHR5で聴きます。初めにTVのHDMIから光デジタル信号を分離するHDMI変換器の動作確認です。
HDMI光デジタル変換
使用するHDMI光デジタル変換器は2016年末にアマゾンで2,599円で購入したものです。接続を変更して動作確認をしましたが全く同期がとれません。元々同期の引き込みに問題があり、何度もHDMI端子を差し直して使用していましたが、今回はいくら差し直しても全くダメでした。仕方がないので、新しい物を買おうと思いアマゾンで検索してみました。いくつもの製品がヒットしましたが、どれも私が購入したものの派生品で、信頼性向上につながらないと思われます。他に選択肢がない中、目についたのがサンワサプライのVGA-CVHD5です。派生仕様ですが、サンワサプライの品質管理に期待しつつ購入を決めました。価格は5,399円と手元のものの2倍以上の価格です。
サイズこそ違いますが間違いなく派生品です。大きな違いはACアダプタが同梱されている点です。
正直、あまり期待せずにシステムに組み込み動作確認を行いましたが、まるで今までの状況が嘘のように全く問題なく動作しました。
バランスヘッドフォンアンプ
これも最近使っていませんでした。パイオニアのヘッドフォンを接続して音を聴いてみます。問題なく動作しました。久しぶりに聴く密閉型ヘッドフォンの音は新鮮でした。回路図を再掲載します。
■ヘッドフォンアンプ回路図
■プリアンプ回路図
■電源回路図
電源は、+/-12Vと+/-9Vを三端子レギュレータで作っています。「安定化電源製作」で三端子レギュレータの電解コンデンサ負荷の弊害を確認しましたが、このヘッドフォンアンプは、それ以前に設計製作した為、電源の負荷に多くの電解コンデンサが入っています。プリアンプ回路図には記載はしていませんが、+/-12Vの電源端子台付近に100uF品が実装されています。実際の基板は以下のとおりです。
■電源基板
■プリアンプ基板
■ヘッドフォンアンプ基板
せっかくなので、これを機会に全て削除する事にしました。電源基板は、全8chの出力に全て100uFの電解コンデンサが実装されていました。削除の改造は比較的容易でしたが、組み直す際の配線が手間でした。
続いて、ヘッドフォンアンプ基板の改造です。Hot/Coldチャンネル分で4個実装されていました。削除のついでに、発振対策で追加した出力抵抗10Ωにパラに10Ω追加して出力抵抗を下げてみました。
最後にプリアンプ基板です。L-ch/R-ch分で4個実装されていました。
電解コンデンサ実装されていたスペースが空いたため、どの基板もスカスカした印象です。
音聴き
ドラムのアタック音はタイトに、低音自体は厚くなった感じがします。中域の奥行き感もやや増した印象です。ヘッドフォンの音は普段使いしていなかった為、記憶にあまり定着しているわけではなく、さらに改造に時間がかかったため、改造前後の違いの音の印象は正直なところプラシーボ効果によるかもしれません。改造後の電源およびヘッドフォンアンプの回路図を掲載します。
これで一通り準備が完了しました。
第69回紅白歌合戦
昔ほど年末の国民的イベントではなくなりましたが、NHKがお金と手間をかけて放送するので今回も聴いてみました。低域のブースト感は相変わらずですが、今回の改造の効果なのか、耳が慣れたのか聴きやすくなった感じがします。プログラムは残念ながら8割以上聴き覚えのない曲でしたが、Liveとしての質は高くヘッドフォンで十分楽しむ事ができました。その中でもPerfumeの演奏はLiveとは思えない演出が印象的でした。
N響第九演奏会
今年の指揮者はマレク・ヤノフスキさんです。前説では、テンポが早く、強弱の表現を大事した立体的な演奏が特徴との事です。紅白とは異なり、低域のブーストはされていないようです。演奏は前説どおりテンポ良く、オーケストラがおいていかれるのではと思うような場面がいくつかありました。夜中のプログラムなので、ヘッドフォン一択となりますが十分聴きごたえのあるプログラムでした。
次回からは通常の製作記事に戻りたいとおもいます。
おわり(番外編28)