チャンネルデバイダ製作2(設計編2)

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設計編2

電源回路から設計を続けます。

電源回路

チャンネルデバイダの回路は、片チャンネルオペアンプ7個構成です。オペアンプ1個あたりの消費電流が約10mAなので片チャンネル当たり約70mAの消費電流となります。+/-12V電源を左右独立とするため、三端子レギュレータを計4個使用します。トランスにはいつも使っているトロイダルトランスHDL-12(L)を使用します。巻き線は12V/0.5A x2の為、全波整流後の電圧は約+/-16Vとなります。したがって三端子レギュレータの印加電圧は約4V(=16-12)となり、三端子レギュレータで消費される電力は約280mWです。データシートから放熱器は不要と判断しました。

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電源用LEDは、GNDに電流を流さない為に+/-12Vから電源供給します。L-chとR-chでバランスを取るため、残りのチャンネルにはダミー抵抗を接続しておきます。これら情報を反映して回路図を作成しました。

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電源出力部は、フィルムコンデンサのみで電解コンデンサは入れていません。

基板選定

上述したとおり、アクティブフィルタブロックは、片チャンネル当たり7個のオペアンプで構成されます。3個がボルテージフォロワで、残り4個がアクティブフィルタとなります。私の標準基板(95 x 72)では実装の都合が悪いので、今回は片チャンネル分を1枚の基板に実装する事にしました。各回路のサイズの当たりをつけるために、以前実装したアクティブフィルタ基板を引っ張り出して確認してみました。

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その結果、アクテイブフィルタ回路が50mm x 30mm、ボルテージフォロア回路が30mm x 15mmの実装エリアが必要と想定しました。秋月電子のユニバーサル基板のラインナップを調べたところ、155mm x 114mmのものがあったため余裕はありませんが、この基板を選定します。実装イメージは下記のとおりです。

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ケースの選定

いつものとおりタカチ電機のケースを選定しようと思い、HPを確認しました。バランス3wayアッテネータユニットのケースを加工した際にアナウンスがあったとおり、USシリーズは2018年9月末でほとんどが販売終了となっていました。下表は、タカチのHPに掲載された販売終了案内の一部です。

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今まで加工サービスを使っているからか、私のところに定期的にカタログが送付されています。今までのケース選定はHPで済ませていましたが、9月末の販売終了機種が多く今回の製作に適したケースを探す為に、初めてカタログを利用しました。(アイキャッチ写真参照)目に留まったものが、OSシリーズです。各面固定用のフランジが専用パーツ(フレーム)となり部品点数が増えますが、外板が平板となり加工性が向上しています。フレーム部に基板固定用のスタッドが立てられない為、従来のケースに比べて一回り大きなケースの選定が必要になります。

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実装する基板のサイズを元に機種を選定しました。OS88-32-33SSです。サイズは、W320xD330xH88です。念のため配置図を描いてみました。

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周辺の枠のエリアは、フレームが入る為基板固定用のスタッドが立てられない部分です。アッテネータユニットでは、ケースサイズに余裕がなく実装に苦労した事を考えると、かえっていいかも知れません。USシリーズでは、フロントおよびリアパネルサイズそのもが部品の実装エリアに使用できましたが、OSシリーズでは、フレームを考慮する必要があります。下図はHPに掲載されたOSシリーズのサイドビューです。

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これを見ると縦寸法88mmに対してパネルの縦寸法が81mmで、さらにフレームが5mmオーバーラップし、場所によってはさらに4mmオーバーラップするように見てとれます。従って全エリアのミニマムのパネルの縦寸法は72mmとなります。手元にあるXLRパネルコネクタの縦寸法が31mmなので上下2段の実装はぎりぎりできそうです。

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次回は今回決定したケースを前提にパネル設計を行います。

 

つづく(設計編3)