チャンネルデバイダ製作2(製作編9)

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製作編9

基板2のLowブロックの動作確認から再開します。

Lowブロック動作確認

バッファアンプ用オペアンプMUSES01を実装します。他と同様にソケットに挿した上で基板実装しました。

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最初にバッファアンプの出力オフセット電圧を確認します。-2.2/-0.8mVで問題ありませんでした。次にLPFアクティブフィルタ用オペアンプを実装します。オペアンプはMUSES8920です。トータルの出力オフセット電圧は-2.1/-0.4mVで問題ありません。続いて正弦波応答を確認します。波形はColdチャンネル700Hz時の正弦波応答です。

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減衰量は約9.1dBで遅延量は0.467mS(117°)です。カットオフはもう少し低い周波数と考えられます。10Hzから1MHzまで波形応答を確認してグラフ化しました。下図はLowブロックColdチャンネルの周波数特性です。

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減衰域は-55dBまで確認できています。同様にHotチャンネルも確認してグラフ化しました。

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Hot/Coldチャンネルともに同等の特性の確認ができました。

Highブロック動作確認

Lowブロックと同様にバッファアンプ用にMUSES01を実装します。出力オフセット電圧は0.1/-2.5mVでした。次にHPFアクティブフィルタ用にMUSES8920を実装します。Highブロックトータルの出力オフセット電圧は、-0.5/0.2mVで問題ありません。続いて他ブロックと同様に正弦波応答を確認します。波形はColdチャンネル7KHz時波形応答です。

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減衰量は約6.6dBで、遅延量は30uS(76°)でした。Hot/Coldチャンネルともに10Hzから1MHzまで波形応答を確認して結果をグラフ化しました。

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基板1の結果も同じですが、低域の減衰量約47dBと、他のブロックに比べて測定限界が下がりません。原因はノイズレベルの違いです。実用時に影響がでるかは不明です。

総合特性

基板2のいままで測定したLow/Mid/Highブロックの特性をまとめてみます。

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特徴的な点は、Midブロックの2~3KHzで減衰量が下がりますが、0dBまで下がっていません。基板1も同様の特性です。先ほども書きましたが、Highブロックの低域の減衰量がノイズの影響で下がりません。Midブロックとの違いはどこからきているのでしょうか?クロスオーバー周波数は、700Hz弱と約7KHzとなっていて基板1とほぼ同等でした。これでアクティブフィルター基板2枚が完成しました。

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ケースその後

設計編3にて、従来使用してきたケースは販売終了となり、従来とは別のケースを選択して、リアパネルの加工図を作成した事を紹介しました。

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作成したリアパネルの加工図をDXF変換して、タカチ電機のHPからカスタム加工の見積もり依頼をしました。

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見積もり申し込み用フォームに必要事項を記載して、準備したDXFファイルを添付します。また、今回の取引で使用する代理店を記載します。私の場合は部品購入の実績があるマルツオンライン様を指定させていただいています。今後の必要なやりとりは全てマルツオンライン様と行います。この見積もり依頼を1/15に送信したところ、1/18に見積もりを入手しました。価格は22,588円です。指定のケースOS88-32-33SSの標準価格が11,620円なので加工費は10,968円ということになります。価格はこんなものかと思いましたが、問題は納期です。下記が見積書のコメントです。

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カスタムサービスは、穴加工だけであれば、受注後5日目発送を唱っていますが、選択したケースの部品の一部か欠品しているため、最短納期が3月上旬との事でした。他に選択肢がないため、記事を途中で中断する覚悟の上、発注しました。やれやれ。次回は電源基板の実装を行います。

 

つづく(制作編10)