チャンネルデバイダ製作2(製作編12)

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製作編12

プラス電源の動作確認が終わったので、マイナス電源の動作確認を行います。

マイナス電源発振

プラス電源と同様に動作確認を行う為に出力にオシロを接続して電源オンしたところ、発振していました。

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周波数は40KHz弱で、レベルは64mVppです。三端子レギュレータで発振の経験がなかった為、ch2も確認を行ったところ同様に発振していました。原因としておもいあたった点は、電源ランプ用のLEDの点灯回路です。プラス電源の動作確認の際に、電源基板への電源入力をプラスとマイナスを同時に供給するとなぜか、出力のノイズレベルが高くなったため、プラス電源のみ供給して動作確認を行いました。この場合、マイナス電源は動作していない状態で、LEDの電流が出力に流れ込みます。この影響で壊してしまった可能性を疑いました。ch1とch2ともにLEDは点灯していたとおもいます。予備の三端子レギュレータがなかったため、初期の製作でつくった電源基板から取り外します。

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現状の配線の考え方と異なり、配線が美しくないとおもいつつ、三端子レギュレータを取り外しました。

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とりあえずch1のマイナス電源用の三端子レギュレータと交換しました。交換で基板をややフラックスで汚れてしまいましたが、問題ないレベルです。

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緊張しつつ電源オンして出力をモニタします。結果は残念ながら変化なしです。その後、出力のフィルムコンデンサ0.47uFを暫定的に外したり、三端子レギュレータの入力にフィルムコンデンサーを付けたりしましたが、全く変化がありません。試しに出力に電解コンデンサを付けたところ、発振はきれいさっぱり消えました。-12Vの三端子レギュレータは、出力の電解コンデンサ接続前提だったようです。予定外に動作確認前に時間がかかってしまいました。

マイナス電源動作確認

気をとりなおして動作確認を始めます。出力には手元にあったニチコンのFG10uFを接続しました。

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プラス電源の動作確認と同様にジグを使って負荷電流を60mAppの正弦波状に制御して10Hzから100KHzまで周波数を変えて応答波形をモニタしました。結果は以下のとおりです。

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素の状態のプラス電源の特性よりは良いですが、3KHz付近から周波数が上がるに従ってインピーダンスが上昇し、20KHzで0.4Ω強の値となっています。次に出力の電解コンデンサを100uFに変更してみました。

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10KHz以上の帯域で特性が改善しました。プラス電源のように改善を始める周波数域で特性が悪化する事がありませんでした。さらに電解コンデンサの容量を1000uFにして確認してみました。

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6KHz以上の帯域でさらに特性が改善しました。念のためch2も1000uFを接続して特性の測定を行いました。結果は以下のとおりです。

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ch1と同等の特性が確認できました。このレベルの特性であれば使ってもいいレベルではないでしょうか?

電源基板方針

前回の記事で紹介したプラス電源のインピーダンスの周波数特性が納得できずに、また電解コンデンサを追加してもファンダメンタル周波数域の特性が悪化してしまう状況のため、できれば使いたくありません。せっかく製作をしましたが、安定化電源の特性改善で紹介した電源を再製作する決心をしました。製作後に同様の特性の確認を行ってみたいとおもいます。

 

つづく(製作編13)