チャンネルデバイダ製作2(製作編16)

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製作編16

組み上げたマイナス電源の通電確認でまったく出力がでないトラブルが発生したので原因の特定から再開します。

動作不良

前回の記事は、-12V電源の通電確認で出力がでない(0V)状況で終わりました。原因を特定する為に、各部電圧を当たったところ、-9.1Vの基準電圧が生成されておらず、0Vとなっていました。電源を切ってハンダ面を確認したところ、すぐに原因がわかりました。基準電圧回路の定電流ダイオードが本来マイナス電源に接続されるはずの部分がGNDに接続されていた為に、基準電圧回路に全く電圧がかかっていない状態でした。

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定電流ダイオードが接続されていたGNDラインと平行に敷線されたマイナス電源ラインに定電流ダイオードを接続しなおしました。

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改めて電源オンで正常動作を確認しました。出力電圧を-12.0Vに調整して通電確認は完了です。各部の電圧は以下のとおりです。

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上記のとおりマイナス電源も各部電圧は設計値どおりでした。

マイナス-12V動作確認

プラス回路と同様に等価出力インピーダンスの周波数特性の確認を行います。負荷条件は今までの測定に合わせて、平均電流30mAで負荷電流を0~60mAppの正弦波状に制御しています。初めは容量負荷がない状態で確認を行いました。結果は以下のとおりです。

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ピンクのラインが今回測定した結果です。青のラインは容量負荷なしの同一条件時のプラス電源の結果です。ほぼ同等の結果です。せっかくなので、三端子レギュレータの結果とも比較してみます。三端子レギュレータは発振対策で出力に10uFを接続した状態の結果です。

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大きな差はありませんが、1KHz以上で安定化電源に比べて三端子レギュレータの等価出力インピーダンスが大きくなり始め、20KHzで約2倍の値になっています。プラス電源と同様に、影響があまりない負荷容量を確認するために、0.1uFと1uF容量負荷時の特性の測定を行いました。結果は以下のとおりです。

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結果はプラス電源と同等で、1uF容量負荷時は10KHz以上で特性がやや悪化するものの、0.1uF時はほとんど影響がない事が確認できました。この結果からも、アクティブフィルタ基板のパスコンの電源当たりの総容量を1uF以下にすべき事がわかりました。

ケースその後2

1/18に見積りを入手し、一部欠品部品があり3月中旬の納期とのことでしたが、注文をして納品を待っていました。事前連絡よりも納期が吸い上がり、3/1に届きました。あいかわらず大きな梱包です。

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代理店としてマルツオンラインを指定した為、マルツの梱包で届きました。開けると緩衝材がつまっています。

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緩衝材を取り出すと、プチプチにくるまれてケースの部品がそのまま入っていました。前に購入していたシリーズとは異なり専用の箱はないようです。

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部品を取り出してみましたが、全部品があるかわかりません。気になっていたリアパネルの加工状態を確認してみます。見た目には加工状態は問題ありません。

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一通り部品を取り付けてみます。今度こそ後加工をしない意気込みで修正したXLRパネルコネクタ部図面ですが、メス側の余裕がありませんでしたが問題なく取り付けができました。(本記事のアイキャッチ写真参照)せっかくなので他の部品も取り付けてみます。ヒューズホルダを取り付けます。

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問題なく取り付けできました。最後にACインレットを取り付けます。

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全種類の部品が問題なく取り付けできることが確認できました。一旦ケース加工は後回しとして、基板が完成した後に続きを行います。次回は安定化電源ch2+12V回路実装を行います。

 

つづく(制作編17)