真空管HPアンプの製作(製作編7)

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製作編7

ヒーター回路の実装が終わったので電源回路を実装します。

電源回路

改めて電源回路を掲載します。

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電源はプレート用175V電源(B電源)とバイアス用-5V電源(C電源)の2系統です。実装する基板のサイズは47x36mmです。従って、大型の電解コンデンサや放熱が必要なトランジスタは、基板外へ実装します。初めに大枠の部品レイアウトを決めます。

基板端子台の配置

そんなに複雑な回路ではないので、基板端子台の位置が決まれば、概ね部品の配置も決まります。初めに基板端子台の配置を検討します。搭載する基板端子台は以下のとおりです。括弧内は接続先です。

・B電源電入力:2極(電源トランス)

・C電源入力:2極(電源トランス)

・平滑コンデンサ:2極(電解コンデンサ

リップルフィルタコンデンサ:2極(電解コンデンサ

リップルフィルタTr:3極(トランジスタ

・電源出力:3極

・電源ランプ:2極(LED)

配線が短くなるように各端子台の位置を決めました。

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1点問題に気づきました。C電源のトランス巻き線は12Ax7のヒーター電源と共用していて、ヒーター配線の際に0VタップをGND接続していました。今回C電源用にGND配線を行うと、大きなループができてしまいます。C電源用のノイズを優先させるため、折角配線しましたが12AX7のヒーター配線のGND接続を外しました。

基板実装

初めに基板内のGND配線をします。基幹となるラインはポリウレタン被覆の銅線で配線する事にしました。被覆をあらかじめヤスリで剥がさないと、15Wのコテではハンダできません。手間はかかりますが後の作業を考えて実施します。

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次に整流出力配線をします。平滑用の電解コンデンサは基板外なので、配線用の端子台へ接続します。

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続いて、整流出力に接続されるトランジスタと分圧用の抵抗と出力用の負荷抵抗を実装しました。

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これでB電源用の部品実装は完了です。

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次はC電源実装です。C電源は三端子レギュレータによる単純な電源です。部品は基板センター部に実装し、リア側となる写真下の部分を空けました。

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実装完了時のハンダ面は以下のとおりです。

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C電源通電確認

単純な回路ですが、念のため動作確認をしておきます。ユニバーサル電源からAC6.3Vの波高値に相当する-8.5Vを入力して確認しました。

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出力電圧は-4.98Vで問題ありませんでした。過去の製作で-12Vの三端子レギュレータが微少発振を経験していたので、念のため出力を確認しました。

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問題ありませんでした。次ににLED点灯確認をします。電源用端子台に直接LEDを接続して電源オンします。

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問題ありませんでした。基板単体で確認できる項目は以上です。

基板装着

実装した基板をシャーシに取り付けます。スタッド取付け時に位置だしをしているので、すんなり取り付けができました。

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初めに、-5V系を使用する電源ランプ系の配線を行います。2芯の平行電線をシャーシの端に敷線しました。

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LED部配線はショート防止の為に熱収縮チューブでガードしました。

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電源入力配線を行い、電源オンしてみました。写真のとおり問題なく電源ランプが点灯しました。

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三端子レギュレータ印加電圧が設計上小さいので念のため確認しておきます。-5V系電源の負荷大半は電源LEDです。LED点灯時のレギュレータへの印加電圧を確認します。点灯時の三端子レギュレータ入力電圧波形をDC/ACモードで観測しました。

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左がDCモード観測結果で、DC電圧は約-8.5Vとなっています。右はACモード観測結果です。リップルは約0.2Vppです。この結果から、三端子レギュレータには8V以上の電圧がかかっている事が確認できました。次回はB電源系の配線を行い動作確認を行います。

 

つづく(製作編8)