真空管HPアンプの製作(製作編9)

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製作編9

電源基板の実装と通電が完了したので、初段から配線を再開します。

電源ライン配線

初段の配線前に、電源系ラインの残りを配線します。具体的には、電源用ラグ端子板へB電源の配線と、電圧モニタ用のチップジャックへB電源とGNDの配線です。初めに電源基板B電源出力とラグ端子板間の配線をします。空中の配線は、後で束線しやすい用に位置を決めています。続けてB電源とGNDのチップジャックへの配線をします。電源・GNDと配線済みのラグ端子板と接続します。

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これで電源系の配線は完了したので本題の初段の配線を行います。

初段配線

過去の製作では、初段部の配線用にラグ板を使用しましたが、今回は初段の真空管ソケットに直接部品を取り付けて、ラグ板を使用しませんでした。初段に取り付ける部品は以下のとおりです。

・グリッド入力抵抗2.7kΩ2個

・定電流ダイオード1mA1個

・負荷抵抗120kΩ2個

・出力カップリングコンデンサ4.7uF2個

一番大物部品のカップリングコンデンサの実装からスタートします。使用するコンデンサは、以前のネットワークの実験で購入したCross Capです。容量は0.47uFでも十分ですが、在庫の有効利用するために4.7uFとしています。実装は初段真空管のプレート端子と終段真空管のグリッド抵抗間に接続します。他の部品の実装の妨げにならないようにポジション決めをしました。

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ポジションが決まったら、終段のグリッド抵抗(2.7kΩ)も合わせてハンダ付けします。

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次は負荷抵抗120kΩ2個を実装します。上記で実装したCross Capが接続されているプレート端子とB電源間です。プレート端子と反対側の端子は2本を接続して、B電源へは1本の電線で配線します。

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続いて定電流ダイオードを実装します。2本のカソードをショートしてそこからC電源に配線します。

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初段の最後は、グリッド抵抗を実装します。接続先はボリュームです。それぞれのグリッド端子に2.7kΩを実装します。ここで合わせて入力信号配線と、GND配線を行います。入力信号配線は、いつも使用しているベルデンの2芯シールド線1503Aを使用します。初めにパネルコネクタ側を配線します。

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続いてボリューム側の配線をします。ボリュームはフロントパネル側をR-chとしました。

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ボリュームと真空管のグリッド間の配線も2芯シールド線を使用します。Hot/Coldともにグリッド抵抗に接続し、シールド線にGND配線します。GNDラインはこのルートの配線でループの発生はありません。

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これで片チャンネル分の初段の配線が完了しました。残りのチャンネルも同様に配線を行います。真空管の配置が左右で異なるので配線時に混乱します。とはいえ、配置が決まっているので気分的に楽に配線できました。初段配線完了時は写真のとおりです。

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これで両チャンネルともに初段の配線が完了しました。

初段通電確認

初めに真空管を挿さずに通電確認を行います。確認は初段真空管ソケットの各端子の電圧を観測します。電源コードを繋ぎ電源オンしますが、電源電圧が高いため、トランジスタアンプ以上に緊張します。

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結果は以下のとおりです。

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特に問題はありませんでした。次は真空管を装着して確認します。まずは1本のみ装着します。

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電圧確認は逆さの状態で行います。ネットで検索したところ、傍熱管の動作時の姿勢は寿命に影響を与えないとの事でしたので、配線時と同様に電源トランスで支えた状態で通電確認を行いました。差動回路のIpにやや差はありましたが、特に問題はありませんでした。残りの1本も装着して同様に確認を行いました。以下が確認結果です。

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カソード電圧がやや低いですが、大きな信号入力をしない前提でこのまま進めます。初段までの確認が完了しました。次回は終段の配線を行います。

 

つづく(製作編10)