DCパワーアンプ電源改良(設計編1)

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設計編1

DCパワーアンプの電源の改良の方針を決めたので具体的に設計を進めます。

電源回路

現状のDCパワーアンプの電源回路を再掲載します。

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この回路のトランスを別筐体に外出しします。その際に延長するラインは、前回の記事でも説明したとおりトランスの2次出力とします。この時の設計のポイントは以下項目となります。

・電源SW回路

・電源ランプの構成

電源SW回路

SWは、遮断電流の小さい部分に入れたい事から、現状と同様にトランスの1次側を切断したいとおもいます。具体的には、現状と同様に電圧増幅段はコンセントインで通電開始する仕様として、終段用の電源トランスの1次側にSWを配置する事になります。電源SWは、アンプ本体に設置すると電源トランスユニットとアンプ本体間を終段用電源トランスの1次配線を通す事になります。電流容量面から、電圧増幅段用の電源ライン3本に電源SW用の終段トランスの1次ライン2本を組み合わせて、5極のXLRコネクタを採用したいとおもいます。終段用の電源ラインは、電流容量を考慮して3極のXLRコネクタとします。一旦この状態の回路を起こしてみます。

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電源トランスを3極と5極のXLRコネクタで分離して、電源SWを1回路オンオフSWに変更して、さらに電源ランプを電圧増幅段と終段用に分けています。

電源ランプ

現状の電源ランプの仕様は、2色LEDを電圧増幅段オンで赤点灯させ、終段オンで緑点灯に切り替えています。今回も2色LEDの採用も可能ですが、SWをチャンネルデバイダで採用した自照式の押しボタンSWに変更したいと考えて、電圧増幅段用のランプを別に設置する事にしました。電源トランスユニットにも現在の状態を表示させるために、電圧増幅段と終段用の電源ランプを独立に設置したいとおもいます。但し、電源トランスユニットにはDC電源がないので、100V点灯可能なネオン管を採用したいと思います。ネオン管は秋月電子では取り扱いがなく、マルツオンラインで希望仕様のランプを見つけました。

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予想外に価格が高い(緑:490円、赤:460円)ですが、仕方ありません。赤を電圧増幅段用に緑を終段用のランプとしたいとおもいます。ここまでを電源の回路図に反映します。

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電源回路のグレードアップ

せっかく電源回路をいじるので、音質改善の要素も追加したいとおもいます。お金はかかりますが手軽にできる項目として、電力増幅段用の電源トランスを容量アップしたいとおもいます。東栄変成器の通販サイトを確認したところ、12V/20A(CTタップ付き)を見つけました。型番はJ-1220で価格は8,820円(税別)です。

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現行トランスの仕様が12V/5A(CTタップ付き)なので、4倍の容量アップです。コアがネジ止め式なので、唸りが改善する可能性があります。この変更で気になる部品は、終段用電源全波整流用のブリッジダイオードです。現行品は放熱特性を考えて4A品(D4SBS6)を採用していますが、トランスの容量アップに伴うラッシュカレントを考慮すると15A品(D15XBS6)に変更したいとおもいます。この変更を回路に反映させます。

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さらに構想編でも触れましたが、電圧増幅段用電源回路を安定化電源に変更します。回路は、バランス3Wayチャンネルデバイダの製作で設計したものを流用します。チャンネルデバイダの電源は+/-12V出力で、今回は+/-13.5V出力とやや仕様が異なりますが、そのままの回路でいけそうです。この変更を電源回路図に反映してみました。

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電源トランスユニットの構成

電源は左右チャンネル独立ですが、電源トランスユニットはコストと取り扱いを考慮して1ユニット構成とします。その際の電源ランプは、電圧増幅段用は左右共通として、電圧増幅段用のみ左右独立とします。次回はさらに具体的な設計を進めます。

 

つづく(設計編2)