製作編4
アンプ本体の電圧増幅段用の電源を製作します。
改良の方針
現行のアンプの電源回路は以下のとおりです。
この回路中の電圧増幅段用電源を下記の安定化電源に変更します。
誤差アンプに単電源の高速オペアンプを使用しています。電圧はやや異なりますがチャンネルデバイダ製作時に設計した回路をそのまま使用します。設計を念のため見直しましたが、そのままで特に問題はなさそうです。安定化電源性能改善記事の中で、3種類の電源回路の出力インピーダンス特性の比較を行った結果を再掲載します。
現状アンプに搭載している電源は、上記グラフ中の「定電圧」の特性の回路とほぼ同じ構成です。このアンプはマルチアンプシステムのウーハーを担当するため、信号帯域は700Hz以下となります。モノラルBTL方式のアンプの電源電流は理想的には定電流になるものの、さすがにこの特性は気になるため、グラフ中の性能改善ディスクリートタイプの回路変更して性能を改善します。
電源製作
ドライバ用トランジスタの放熱器の購入を忘れていました。設計見直しの結果、0.19Wの発熱量を算出しましたが、ぎりぎりヒートシンク無しでもいけそうです。しかし、信頼性を考えると取り付けるべきなにで、ジャンクの箱をあさり、一番最初に設計した誤差アンプトランジスタタイプの安定化電源基板を見つけました。
まだ動作しますが、今後そのまま使う可能性は低いので、ヒートシンクを取り外して流用する事にしました。トランジスタ固定用のプラネジを外すだけで簡単の取り外す事ができました。
基板は、いつも使っている標準基板を使用します。いままでは+/-各2系統、合計4系統の電源を実装していたので、今回は余裕で実装できます。初めに作業改善用に4角にスタッドを取り付け、先ほど外したヒートシンクを取り付けます。
次に、ドライバ用トランジスタと誤差アンプ用のソケットを取り付けます。
以前に製作した基板を参考に、最初にGND配線を行いました。出力用の端子台は、2台のアンプへ電源供給するために、2個取り付けています。平滑用の電解コンデンサはニチコンのオーディオ用KWの4700uF/50V品を使用しました。
オーディオ用のディスクリート部品は知らないうちに廃品種になっている事があるのでメーカーのHPの定期的な確認が必要です。ここからは+電源の製作を行います。実装部品は多くはありませんが、それなりに手間がかかりました。
通電確認を行うために、入力側の部品実装も完了しました。
実装を忘れていましたが、電源ランプ用出力端子台も追加で実装しました。
以前の製作時の結果に従い、位相補償用のセラミックコンデンサも取り付けました。
通電確認
組み上がった+電源回路の通電確認を行います。最初に出力電圧調整用の半固定をプリセットします。5KΩの抵抗を1.6KΩと3.4KΩの位置に設定しました。最後にオペアンプを実装します。
電源は、ユニバーサル電源からDCを供給します。本来であれば実用時に合わせて20Vを供給したいところですが、ユニバーサル電源の供給最大電圧が+/-18.45Vなので最大値にセットしました。緊張しながら電源オンしましたが、正常動作しているようです。出力電圧を13.5Vに調整して様子を見ます。
電源自体の消費電流は26mAと三端子レギュレータに比べて大きくなっていますが、半分が誤差アンプの負荷で、残りの大半が誤差アンプで消費されています。(本記事アイキャッチ写真参照)各部の電圧は以下のとおりでした。
設計どおりの動作が確認できました。次回は残りのー電源を実装して動作確認を行います。
つづく(製作編5)