DCパワーアンプ電源改良(製作編22)

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製作編22

今回の改良の最後となるColdチャンネルアンプの改造を行います。

Coldチャンネルアンプ取り外し

Coldチャンネルアンプは、フロントから向かって左側のヒートシンクに取り付けられています。改造の為に左側のヒートシンクを取り外しました。写真はヒートシンクを取り外したアンプユニットを左サイドから撮ったものです。

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ヒートシンクを取り付けてしまうと作業がやりにくくなるので、この段階で電源配線を束線しました。作業がやりやすいのでいい感じに束線できました。

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取り外したヒートシンクは写真のとおりです。

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さらにアンプ基板改造の為に基板と取り外しました。

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基板改造も4枚目となるので改造の詳細は省略します。改造後のハンダ面は写真のとおりです。

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Coldアンプ通電確認

今までの基板と同様に、基板単体で通電確認を行いました。確認も4枚目なので慣れてきました。

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特に問題なかったので、終段のバイアス電流を、本来約0..8Aですが実装後の通電確認用に一旦0.16Aに調整しなおしました。最後のチャンネルなので、調整後の各部電圧を参考に掲載します。

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次に確認後のアンプ基板をアンプユニットに組み込みます。ヒートシンクの取り付けは、ボトムカバーを取り付けたままでできるので容易です。

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続いて電源配線を行います。初めに電圧増幅段の電源配線を行ないますが手慣れたものです。

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次は電源配線最後の終段の配線をします。

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電源トランスユニットと接続して電圧増幅段から通電確認を行いました。特に問題なかったので、終段の電源もオンします。しばらく様子を見た後で終段のバイアス電流調整を行いました。調整も問題なく完了しました。先に通電確認を行ったHotチャンネルの終段バイアス調整も同様に行いました。調整後にしばらく様子をみましたが、特に問題ありませんでした。

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動作確認

動作確認は、音声信号を入力して音を確認します。確認用に最後に残った入力配線を行います。XLRパネルコネクタ側の配線は終わっているので、その電線をアンプ基板の信号入力用端子台に接続しました。最初のアンプユニットの動作確認と同様に、ロクハンフルレンジスピーカーと接続し、入力はボリュームユニットを介してUSB DACと接続しました。CDを再生してボユームユニットの減衰量を下げてゆきます。1台目のアンプユニットと同様にねばりのあるベース音でした。最後の確認が終わったので束線を行いました。束線はヘマタンタイトの100mm品を使っています。

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通電確認まとめ

全ての確認が終わったので通電時の状態を改めて確認します。終段用電源トランスの容量を上げた為、終段電源電圧がやや上がりました。念の為に終段のバイアス電流の変動をモニタしました。PNPとNPNのエミッタ抵抗の両端電圧をモニタしました。測定間隔は30秒です。(本記事アイキャッチ写真参照)正確に測定するには、2つのPNPまたはNPNのエミッタ電流の和を測定する必要がありますが、今回は測定を簡略化しています。従って、終段のバイアス電流は今回の測定値のほぼ2倍となります。

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横軸は経過時間で縦軸はバイアス電流(1回路分)で、設計値は0.38Aです。2台のアンプのHot/Coldアンプ基板の測定を個別に行った為、測定に2時間以上もかけてしまいました。Lチャンネルに比べてRチャンネルの方がやや低目の値となっていますが、最初に調整した為に熱暴走を心配して調整値が低くなっています。15分を経過したあたりからフィードバックにより緩やかにバイアス電流が減少傾向となっています。いい感じの熱補償の状態だとおもいます。最後にヒートシンクの温度を測定します。測定には非接触温度計を使用しました。測定点は、電圧増幅段用電源のドライバトランジスタと終段用電源のブリッジダイオードとアンプ終段用ヒートシンクです。ブリッジダイオードのみ非接触温度計でうまく測定ができなかったので、接触式の温度計で測定しました。

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どのポイントも問題のないレベルに収まっていました。次回はシステム音聴きの前に今回の改良をまとめます。

 

つづく(まとめ編1)