EL34ppパワーアンプ製作2(製作編9)

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製作編9

残りのヒーター配線から製作を再開します。

ヒーター配線

電源トランスに採用したPMC-190HGには6.3Vヒーター用2次巻き線が3つあります。ヒーターの負荷電流とトランス各巻き線の定格電流値でヒーター回路を決めています。各チャンネルのEL342本を1つの巻き線で、初段用の12AX72本を1つの巻き線でヒーター電力を供給しています。残りのヒーター配線は、R-ch終段EL34の2本分です。前回同様に2本の電線を捻ってフォーミングして使用します。

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ヒーター配線が終わったので全体を見直したところ、R-ch初段の配線の間違いに気づきました。

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12AX7は双三極管のため、内部に2個のヒーターを内蔵します。2個のヒーターの片側が共通の端子に接続され、反対側が独立の端子に接続されています。

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これにより、ヒーター電圧が6.3Vと12.6Vの2つが選択できます。今回の間違いは、共通端子を0Vとするところ、反対に接続してしまいました。動作は問題ありませんが、特性差の要因となるので直しました。次に、ヒーター用巻き線の0V端子をシャーシGNDに接続します。未接続の場合、カソード間との電位差が不定となり、思わぬ不具合の要因となります。

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これでヒーター配線は完了です。

ヒーター回路通電確認

まずは、真空管を装着せずに電源オンして各真空管ソケットのヒーター用端子に所定の電圧がかかっている事を確認しました。特に問題ありませんでした。続いて真空管を装着してヒーター点火の確認を行います。真空管は今回もアマゾンで購入しましたが、EL34は4本、12AX7は2本、特性の揃った選別品を注文しています。写真のとおり、各真空管の特性の測定結果が外箱のシールに印刷されています。

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12AX7には2回路分のIpとgmが、EL34には測定条件と、その時のIpとgmが記載されています。組み合わせは後で決めるとして、ヒーター点火確認後に、元の箱に戻せるように箱を管理しました。箱から真空管を取り出してソケットに装着します。EL34はベースキーの位置を合わせて差し込みます。装着には端子部が壊れる心配する程力が必要でした。12AX7は端子の配置に合わせて差し込みます。EL34程、装着には力は必要ありませんでした。6本の真空管の装着が終わり、どきどきしつつ電源オンしました。チンチンと音を立てながら、真空管内部がオレンジ色に変わります。30秒程で一定の明るさになりました。

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冬の真空管は格別です。見ているだけで心が暖まる気がします。12AX7の点火状態は以下のとおりです。

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ソケットの向きを変更した甲斐があり、捺印が正面を向いています。Golden Dragon製なのでプレミアム感はありませんが、自己満足の世界です。続いてEL34の点火状態です。

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捺印は、やや右を向いていますが気にしません。名残惜しいですが、このままでは作業が進まないので、真空管を取り外して作業ができる状態に戻します。真空管は間違えないように元の箱に戻しました。せっかくなので、真空管の特性の一覧表を作成しました。

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次の通電時に組み合わせを決めるために使用します。キリがいいので、今回はここまでとして、次回は電源基板の組立を行います。

 

つづく(製作編10)