EL34ppパワーアンプ製作2(製作編13)

f:id:torusanada98:20191223122556j:plain

製作編13

電源の配線が完了したので、初段の配線と通電確認を行います。

カップリングコンデンサ用Lラグ板取り付け

初段と終段間のカップリングコンデンサ取り付け用に、初段管と終段管の間に4極のLラグ板を取り付けます。このフィルムコンデンサは海神無線のCROSS-CAP_0.47uFの在庫が復活しなかったため、0.82uFとなりました。

f:id:torusanada98:20191223122614j:plain

外形が少し大きくなるため、実装に気を使います。Lラグ板に先にコンデンサを取り付けてから、配線やシャーシとのクリアランスを確認して、Lラグ板の取り付け位置を決める事にしました。各チャンネル2個フィルムコンデンサを取り付けます。できる限りコンパクトに仕上げるように、端子をフォーミングしています。

f:id:torusanada98:20191223122650j:plain

コンデンサを取り付けたLラグ板を初段管と終段管ソケット間に置いて、位置を決めました。位置出しがしやすいように、初段の真空管ソケットの手前側の端に合わせて、穴開け位置を決めました。反対側の穴開け位置を決めるために、紙に位置出し用の目印をつけて、定規の代わりとしました。

f:id:torusanada98:20191223122733j:plain

上で作成した紙定規を使って、反対側の取り付け穴の位置を決めてφ3.2の穴を開けます。

f:id:torusanada98:20191223122809j:plain

穴のバリを取り、それぞれLラグ板を取り付けます。取り付けの際に、先に配線済みのヒーター配線とのクリアランスを確保するために、ヒーター配線の敷線を修正しています。

f:id:torusanada98:20191223122909j:plain

これで初段配線の準備が完了しました。

初段配線

配線の紹介前に改めて回路図を掲載します。

f:id:torusanada98:20191223122948p:plain

最初にグリッド抵抗2.7kを取り付けます。真空管ソケットのグリッド端子へ直接ハンダ付けしました。

f:id:torusanada98:20191223123022j:plain

グリッド抵抗はそのままにして、カソードに定電流ダイオードを取り付けます。定電流ダイオードは、初段用に取り付けたLラグ板にハンダ付けしました。2個のカソード端子をつないで、さらに定電流ダイオードに接続します。(写真茶色の配線)

f:id:torusanada98:20191223123055j:plain

次は、先に取り付けたグリッド抵抗へ入力配線を行います。黄色がHot, 白をCold配線としました。入力でノイズを拾いにくくするため、ループをできる限り小さくする事を心がけて敷線しています。続いて、入力抵抗10KΩを取り付けました。先にゲート配線をハンダしたラグ端子に直接ハンダしています。反対のリードは、2本を接続して、そこからGND配線を行いました。

f:id:torusanada98:20191223123136j:plain

次に、負荷抵抗150KΩをカップリングコンデンサを取り付けたLラグ板の端子に接続しました。真空管との接続は緑の電線です。150KΩの反対のリードは2本を接続してB電源に接続しました。

f:id:torusanada98:20191223123216j:plain

写真は、間違って終段用のB電源に配線しています。反対のチャンネルも同様に配線し、電源の配線も修正しました。初段用電源配線は橙の電線を使用しています。

f:id:torusanada98:20191223123254j:plain

通電確認

初段のみで通電確認を行います。初めに真空管を挿さずに、通電を行って真空管ソケットの各端子電圧を確認しました。

f:id:torusanada98:20191223123344j:plain

確認結果は以下のとおりです。

f:id:torusanada98:20191223123425p:plain

結果は特に問題ありませんでした。電源電圧が+/-5Vくらいの範囲で変動しているため、測定のタイミングにより、結果の辻褄があわなくなりますが、そこは変動を考慮して数値を拾いました。一旦電源をオフして、電源コンデンサの放電を待ってから、真空管を装着しました。どきどきしつつ上下反対の状態で電源オンしました。(本記事のアイキャッチ写真参照)ヒーターが安定して点灯したところで各端子の電圧を確認しました。確認結果は以下のとおりです。

f:id:torusanada98:20191223123506p:plain

Ipは一番小さい値は0.77mAで、一番大きな値は0.8mAでした。1.5mAの定電流ダイオードを使用していますが、やや大き目な電流値となっています。次回は、終段のバイアス調整回路基板の製作を行います。

 

つづく(製作編14)