High-ch用アンプ製作(設計編5)

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設計編5

部品発注が終わったのでシャーシの加工図を作成します。

フロントパネル加工図

シャーシは前回製作したEL34ppアンプと同じリードのMK-380です。フロントパネルのデザインはEL34ppアンプ2号機と同じにします。但し、パドルスイッチの固定に問題があったため、取り付け用の穴径をφ21からφ20に見直しました。穴あけ用のシャーシパンチの径がφ21のワンサイズ下がφ18なので、加工の手間を覚悟しての変更です。変更した加工図は以下のとおりです。

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リアパネル加工図

リアパネルは、EL34ppアンプ2号機でなんの問題もなかった為、そのまま流用します。EL34ppアンプ2号機製作の際に作成したリアパネル加工図は以下のとおりです。

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シャーシ天面加工図設計方針

EL34ppアンプ2号機の加工図を元に修正をかけていきます。下の図がEL34ppアンプ2号機のシャーシ天面加工図です。

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今回の製作の主な変更点を整理します。

・電源トランスを春日無線のKmb100F2に変更

・出力トランスを春日無線のKA-5-54Pに変更

・終段用の8ピンオクタルソケット2個をMT-9ソケット1個に変更

真空管が片チャンネル当たり2本となるのでシャーシ上面はスカスカのイメージとなりそうです。その2本の真空管をEL34ppアンプの終段管の位置に配置し、電源トランスの手前を開けます。EL34ppアンプ組立の際に電源基板の取り付けに手間をかけていましたが、(下図)電源トランスを手前に移動して電源基板の固定を基板のオリジナルの固定用穴を使えるようにしたいと思います。

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電源基板に追加であけた固定用の穴位置を考慮すると、電源トランスを手前に12.5mm程度移動させる事で基板オリジナルの固定穴が使えるようになります。また、リアパネルに取り付けたACインレットとヒューズホルダとのクリアランスをかせぐためにさらに手前に10mm移動します。出力トランスは軽くなるとは言え、背面寄りに2個搭載するので電源トランスを手前に移動する事で全体の重量バランスは良くなります。次は出力トランスの取り付け検討を行います。ほぼ同回路構成の真空管HPアンプでは、最後までハムに悩まされました。そのハムの大きな要因の1つが出力トランスの配置よる電源トランスの漏洩磁束をの誘導でした。今回もその時の経験を生かして、トランスの取り付け面を垂直にして固定したいとおもいます。真空管HPアンプでは、シャーシ加工後の方針変更だった為に、やっつけの対応としてトランス固定用のフランジを90°まげてトランスの固定を1カ所のみとしました。

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格好がわるいので、その上からトランスカバーを被せて隠しました。当時の記事では、1カ所の固定ネジが緩んでしまった時の安全性の確保を理由としていましたが、本当は格好が気に入らなかった為です。

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真空管HPアンプ製作時はトランスカバーをアマゾンで購入しましたが、今回は見つけられなかったため、他を探したところ東栄変成器のサイトで見つけました。トランスケース(S)に選定した出力トランスが納まりそうです。カバーに穴を開けて直接取り付けるタイプです。本記事のアイキャッチ写真がサイトに掲載されたトランスカバーの写真です。

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取り付けは写真のとおりで、トランスの取り付けフランジを曲げる必要はありません。価格は税込み2,948円で、出力トランス自体の価格を考えると微妙な気持ちになりますが、ケース込みで考えると高級トランスと言えるかもしれません。次回は、上記変更点の寸法を確認しながら、EL34ppアンプ2号機の天面加工図を変更していきます。

 

つづく(設計編6)