High-ch用アンプ製作(設計編6)

f:id:torusanada98:20200211081647j:plain

設計編6

シャーシ天面加工図の設計方針が決まったので、EL34ppアンプ2号機の加工図を元に修正していきます。

真空管配置変更

前回の記事で整理した方針に沿って、EL34ppアンプの加工図を修正してゆきます。修正の元となるEL34ppアンプの加工図は以下です。

f:id:torusanada98:20200211081716p:plain

終段管2本の位置に、初段と終段の双3極管を移動します。どちらのソケットもMT-9なので、真空管自体の配置は後で考えます。電源トランス手前の初段用のソケットは削除しました。

f:id:torusanada98:20200211081617p:plain

電源トランスの変更

上記の変更で電源トランス手前が空きスペースとなりました。電源基板の取り付け性と重量バランス改善の為に電源トランスを手前に移動させます。EL34ppアンプは1号機、2号機ともに電源トランスはゼネラルトランスのPMC-180HGでしたが、今回はB電源電圧を下げるために春日無線のKmb100F2に変更しました。寸法は以下のとおり変更となります。

f:id:torusanada98:20200211081638p:plain

ややサイズが小さくなります。移動位置は前回の方針とやや変更してトランスの中心をシャーシの中心に合わせる事にしました。この変更で電源トランスの中心は21mm手前に移動できました。電源トランスを移動した事で電源基板移動スペースが確保できました。基板を手前側に10mm移動しても、基板オリジナルの固定穴が使えます。EL34ppアンプ2号機で加工を加えた電源基板の寸法は以下のとおりです。

f:id:torusanada98:20200211081643j:plain

この修正の中で、基板発注の間違いに気づきました。この電源基板は私が標準としているサイズよりもワンサイズ小さいものを前提としていました。幸い1枚手持ち在庫があったので、余計な送料の出費をせずにすみました。部品表は後でまとめて修正した物を掲載したいとおもいます。気を取り直して、基板の位置変更も加工図に反映しました。

f:id:torusanada98:20200211081622p:plain

出力トランス変更

出力トランスはソフトンのRX-40-5から春日無線のKA-5-54Pに変更します。取り付けの向きは電源トランスの漏れ磁界の影響を減らす為に、取り付けフランジを垂直に、トランス天面を手前側の向きに取り付けます。この取り付けを行う為に前回記事でトランスケースを選定しました。東栄変成器のトランスケース(S)です。

f:id:torusanada98:20200211081654j:plain

Web上の仕様欄には外形サイズのみで取り付け寸法が掲載されていませんでした。仕方がないので、現品を測定しました。現品測定は誤差の元となるので、あまりやりたくありませんが仕方ありません。

f:id:torusanada98:20200211081635j:plain

写真の上下方向が取り付け時の前後方向となります。取り付け位置はセンターを現行の出力トランスセンター位置に合わせました。電線の引き出し穴径は加工を楽にするためにφ10mmに変更しました。

f:id:torusanada98:20200211081627p:plain

これで必要な変更は全て反映しました。

その後の変更

部品入手後に加工図に影響を与える寸法を確認しました。最初はMT-9ソケットです。ブランド品を購入しているわけではないので、毎回寸法を確認しています。

f:id:torusanada98:20200211081659j:plain

確認の結果、穴径はφ21からφ18へと変更します。取り付け用ネジ間隔の確認の為にφ18の穴を開けた紙にソケットを装着して、取り付け穴のセンターに印を付けて測定を行いました。

f:id:torusanada98:20200211081705j:plain

結果は現行の取り付け穴の間隔と同じだったので変更不要となりました。次は終段バイアス調整用のボリューム位置の確認です。選定した5KΩのボリュームは、2.5mmピッチのユニバーサル基板に実装する為には傾けて実装する事になります。

f:id:torusanada98:20200211081711j:plain

この取り付けの場合、ボリュームのセンターが基板左右のセンターから穴ピッチの半分ずれる事になります。本来は2.54/2mmずらす必要がありますが、今回は穴位置を変えずに基板位置を1mm内側にずらして対応する事にしました。誤差0.27mmは目をつむります。状況を反映した加工図は以下のとおりです。

f:id:torusanada98:20200211081631p:plain

次回は作成した加工図を元に加工着手します。

 

つづく(製作編1)