High-ch用アンプ製作(製作編13)

f:id:torusanada98:20200330072526j:plain

製作編13

追加確認用の真空管が届いたのでハムの確認をします。引き続き終段バイアス調整用基板の実装を行います。

真空管追加確認

前回の記事でL-ch初段真空管の出力に真空管起因のハムを確認したため、追加で12AY7を発注しました。前回の購入時、アマゾンの在庫が1本だったため、コイズミ無線から購入しましたが、その在庫がそのまま残っていたため、その1本を購入しました。送料無料で2,436円で前回よりも安く調達できました。

f:id:torusanada98:20200330072438j:plain

交換前にオリジナルの波形を再度確認します。双三極管のそれぞれの出力をオシロでモニタし、差がわかりやすいように、その加算信号を表示します。

f:id:torusanada98:20200330072546j:plain

加算信号ハムは29mVppでした。はたしてこの信号レベルを気にする必要があるかは別として、R-chでは観測できない為に拘っています。早速真空管を交換します。

f:id:torusanada98:20200330072443j:plain

交換後、期待しつつ波形をモニタしてみました。結果は以下のとおりです。

f:id:torusanada98:20200330072549j:plain

残念ながら状況は全く変わりませんでした。逆にハムが観測されないR-chの真空管が正しく動作していない事も懸念されます。差信号では打ち消されてハムは観測されないので、このままとする選択肢もありますが、もう1本だけ確認してみる事として、さらに追加で真空管を注文する事にしました。

終段バイアス設定用基板実装

一旦初段のハムの件は保留して、製作を進めます。次は終段のバイアス設定用基板の実装を行います。下記回路の赤枠の部分を実装します。

f:id:torusanada98:20200330072542p:plain

実装する回路は、グリッドバイアス調整回路と、プレート電流用の定電流回路です。最初に端子台の配置を決めます。-5VとGND配線を2極の端子台に、2つのグリッドとカソード配線を3極の端子台に配置しました。配線の都合を考えて、基板上端子台をアンプの内向き配置としました。

f:id:torusanada98:20200330072448j:plain

シャーシ加工時にボリュームのみハンダ面に取り付けています。まずはグリッドバイアス回路を実装します。端子台とボリューム位置が固定されているため、いまひとつすっきり実装できません。

f:id:torusanada98:20200330072453j:plain

続いて終段プレート電流用の定電流回路を実装します。回路図は抵抗の系列値を考えずにエミッタ抵抗を40Ωとしていた為、57Ωと120Ωの並列接続で代用しました。

f:id:torusanada98:20200330072459j:plain

これで回路実装は完了です。

終段バイアス用回路通電確認

実装した2つの回路ブロックを別々に通電確認を行います。先に定電流回路の確認をします。実動作時の推定電圧から、カソード出力に5.1Vを印加し、GND配線をして通電しました。

f:id:torusanada98:20200330072505j:plain

写真ではわかりにくいですが、定電圧用に実装したLEDは電流値10mAにもかかわらず、かなり明るく点灯しています。トータルの電流はほぼ設計どおりの41mAでした。

f:id:torusanada98:20200330072510j:plain

続いて、グリッドバイアス調整回路の確認を行います。C電源のかわりに-5VとGNDを接続して、2つのグリッド出力電圧の確認を行いました。ボリュームMaxで、0V or -0.24Vと設計どおりの動作を確認しました。

f:id:torusanada98:20200330072515j:plain

1枚目の基板の通電確認はこれで完了です。

2枚目実装&通電確認

2枚目の基板も同様に実装しますが、部品の配置を左右対称としています。1枚目と同様に最初にグリッドバイアス調整用回路を実装しました。

f:id:torusanada98:20200330072520j:plain

続けて終段プレート電流用の定電流源も実装しました。(本記事アイキャッチ写真参照)写真は、トランジスタコレクタ配線を忘れていますが、通電前に気づき追加配線しています。1枚目と同様に通電確認を行いました。定電流値は1枚目よりもやや大きい42mAでした。

f:id:torusanada98:20200330072531j:plain

グリッドバイアス調整回路も問題なく動作している事を確認しました。両基板のハンダ面はこんな感じです。

f:id:torusanada98:20200330072537j:plain

次回は実装した基板をシャーシに取り付け、終段の配線を行います。

 

つづく(製作編14)