DACユニットの検討(製作編13)

f:id:torusanada98:20200629072357j:plain

製作編13

実装完了したバニラシールド基板の通電確認とLCDパネルを接続して動作確認を行います。

環境準備

バニラシールド基板の通電確認は、基板をマイコン基板に実装して行います。マイコン基板には、前回の記事で紹介した通電確認用のファームウェアを書き込んで動作させます。確認環境は、arduino統合環境をインストールしたPCとマイコン基板をUSBで接続すれば準備完了です。マイコン基板への電源供給は、USB経由で行われるので電源の接続は不要です。波形観測もできるようにオシロスコープを準備しました。(本記事のアイキャッチ写真参照)

通電確認

最初にマイコンに通電確認用のファームウェアを転送します。作成済みのソースコードを読み出して、IDEの矢印ボタンを押してファムウェアを転送ます。arduinoの統合環境IDEは、ファームウェア転送時も、必ずコンパイル動作が入ります。事前にコンパイル確認済みなので問題ないと思っていたら、コンパイルエラーが発生しました。え?と思いましたが、すぐに原因がわかりました。事前のコンパイル確認は別のPCで行っていたため、正しく環境設定されていましたが、今回のPCにはLCDパネル用のライブラリ設定を行っていませんでした。sparkfunからダウンロードしたライブラリを所定のフォルダにコピーして準備完了です。改めてファームウェアの転送を行いました。転送完了後にプログラムは自動的にスタートします。この状態で各端子の電圧を確認しました。特段問題がなかったので、一旦USB接続を外して電源を落として、レベル変換モジュールを装着しました。

f:id:torusanada98:20200629072210j:plain

改めてUSBで接続してマイコンを動作させました。各端子の電圧は以下のとおり変化しました。

f:id:torusanada98:20200629073600p:plain

VREF2は、LCDパネル側から3.3Vが供給されるためopenで問題ありません。他の端子電圧も特に問題ありませあんでした。

動作確認

動作確認は、LCDパネルを接続してデモ表示を確認します。LCDパネルの配線はピンヘッダを使うか迷いましたが、電線を直出しする事にしました。接続は+5V, +3.3V, GND, SCL, SDAの5本です。配線間違いを防ぐ為に最低限電線の色を選択しました。

f:id:torusanada98:20200629072215j:plain

電線は少し長めとしました。早速バニラシールド上の端子台に接続して動作確認開始です。すでにファームウェアは転送済みなので、USBを接続すればプログラムは実行されます。一瞬、sparkfunのメッセージが表示されるものの、その後はうんすん状態です。ソースコードを眺めて見て関係しそうな箇所を探してみました。コントラスト設定が怪しそうなので、変更して試してみました。

オリジナル:lcd.setContrast(0); //Set contrast. Lower to 0 for higher contrast.

お試し修正:lcd.setContrast(5); //Set contrast. Lower to 0 for higher contrast.

残念ながら変化ありません。最初に戻りレベル変換が正しく動作しているか確認する事にしました。I2CのSCL信号を変換前後で確認してみました。

f:id:torusanada98:20200629072155j:plain

黄色のラインがマイコン出力の信号で、青のラインがレベル変換後です。レベル変換が正しく動作していません。さらに確認のポイントを変えてみたところ、レベル変換モジュールへI2C信号が入力されていない事がわかりました。一旦バニラシールド基板を取り外して、配線を確認してみました。

f:id:torusanada98:20200629072204j:plain

またやってしまいました。マイコンボードのSCLとSDA端子とレベル変換モジュールの各端子間の接続を忘れていました。やれやれ。追加配線を行いましたが、1本は被覆電線を使わざる得ませんでした。

f:id:torusanada98:20200629072150j:plain

写真右上の配線が追加したものです。バニラシールド基板をセットして、レベル変換されたI2C信号を確認してみました。

f:id:torusanada98:20200629072200j:plain

今度は正しくレベル変換されている事が確認できました。改めてLCDパネルを接続して、期待しつつUSBケーブルを接続しました。やった、デモ表示できました。しかし何か表示が変です。せっかくバックライト付きの黒バックグラウンドタイプのパネルを選定したにもかかわらず、暗い状態では表示が視認できません。

f:id:torusanada98:20200729211834j:plain

ん~?次回は視認に関する不具合検討から再開します。

 

つづく(製作編14)