DACユニットの検討(製作編15)

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製作編15

基板への電源配線と基板間の配線を行い、完了した部分から通電確認を行います。

トランス配線確認

基板間の配線の前に、前回通電確認した+/-15V電源のトランス配線を確認します。回路はトランスの2つの二次巻き線を使って全波整流動作をさせています。

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使用したトランスの仕様は以下のとおりです。(上側)

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接続は黄と白をまとめてGNDへ接続しています。極性を間違えると動作はするものの、単に二次巻き線をパラレルに接続されるだけで、全波整流動作となりません。確認は通電中の波形をオシロでモニタしました。

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以下が確認結果です。

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想定どおり、位相反転している事が確認できました。実効値15.5Vとほぼ無負荷なのでやや高い電圧となっています。極性確認ができたので、二次巻き線の電線をインシュロックで束線しました。

S/PDIF信号配線

この配線は、CDプレーヤーからのS/PDIF信号をRCAピンジャックで受けて、パルストランス基板に入力し、パルストランス出力をデジタルインターフェース基板へ出力する部分です。共立エレショップから3C-2Vを使ったビデオケーブルを購入していて、このケーブルをカットして使用する予定でした。

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3C-2Vは太くて取り回しが悪そうなので、手持ちの細いビデオケーブルをカットして使う事にしました。カットして見たところ、電線は普通のシールドケーブルです。

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ブレッドボードは、特性より取り回しを優先してこの電線を使う事にしました。初めに入力側のRCAジャック配線を行います。

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出力側も同様に配線しますが、デジタルインターフェース基板側の入力は2極のピンヘッダです。事前に購入しておいた2極のQIケーブルをカットしてシールド線に接続しました。

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反対側は基板端子台接続なのでバラ線をハンダ処理します。完成したケーブルで基板間を接続しました。

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ピンヘッダの接続はどんな向きでも挿せるので、基板に黒の配線位置を示すマーキングをして誤挿入を防止します。

デジタルインターフェース基板配線

次はデジタルインターフェース基板の電源配線を行います。下図のとおり、3.3Vを2カ所のピンヘッダへ供給します。

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電線は2極のQIケーブルをカットして使用しました。電源はアナデジ電源の3.3V出力の1つを使用します。電線が長かった為、インシュロックで束線しました。電源配線は、共立エレショップからダウンロードした応用編の説明書にも記載されていましたが、2カ所ある3.3V電源端子の1つの極性が添付の組立説明書と逆になっていて危うく誤配線で基板を壊してしまうところでした。注意が必要です。

デジタルインターフェース基板通電確認

デジタルインターフェース基板に電源供給できるようになったので、通電確認を行います。CDプレーヤーで0dB 1KHzの正弦波を再生してデジタル信号を入力しました。本記事のアイキャッチ写真が信号モニタ時の写真です。初めに、LRCKとBCK出力をモニタします。

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写真ではLRCK='L'の期間を観測していますが、約88.2KHzとサンプリング周波数の2倍となっている事が確認できました。その'L'の期間にBCKが32パルス入り、最大32bitのデータの転送ができるようになっていました。次はDATAとBCK出力のモニタです。

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0dB 1KHzの信号を入力していますが、DATAに数値が乗って転送されている事が確認できました。波形のタイミングを見る限り正しく動作していそうです。次回はアナログ基板への電源配線を行い、DAC動作の確認を行います。

 

つづく(製作編16)