DACユニットの検討(製作編16)

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製作編16

引き続き基板の電源配線および基板間の配線を行います。

平衡不平衡基板電源配線

この基板には左右チャンネル分の回路が実装されているため、電源も左右独立で供給します。供給元はアナログ+/-15V電源基板です。赤-黒と白-白の平行ケーブルをばらして単線にして、それを赤、黒、白に組み合わせて編んで使用しました。ケーブルの両端は解れないように、インシュロックで固定しています。左右チャンネル分を準備して配線しました。

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線長は後の事を考えて少し長めに設定しています。この基板は組み上げた際に動作確認を行っているため、このタイミグでは通電確認のみ行いました。確認内容は出力オフセット電圧です。確認の結果特に問題はありませんでした。

I/V変換基板配線

初めに電源配線を行います。この基板には片チャンネル分が実装されているので、+/-15Vアナログ電源のLチャンネル側に接続します。3極のピンヘッダからの供給なので、購入済みのQIケーブルをカットして使用しました。反対側はバラ線をハンダ処理して電源基板の端子台へ接続します。

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まずは、オペアンプを実装せずに通電確認を行います。確認ポイントは、オペアンプ実装用のソケットの電源端子電圧です。正しく+/-15Vが供給されている事が確認できました。一旦電源をオフして、オペアンプを装着しました。

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BBのロゴが印刷されたオペアンプは使った事がないので、見た目が新鮮です。

DAC基板配線

次はDAC基板とデジタルインターフェース基板の接続を行います。特性優先とした為、DAC基板を片チャンネルで1枚使用しています。この為、デジタルインターフェース基板出力を2枚のDAC基板へ接続する必要があります。接続はGNDを含めて5本です。配線を分岐させるのはスマートではないと思いつつ、デジタルインターフェース基板の資料を眺めていたところ、DAIトランシーバーモード用のデジタル入力用のピンヘッダがあり、1つのピンを除き共通となっている事に気づきました。

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回路図右下のCN9Gピンヘッダです。トランシーバーモードで使う事はないので、DATAラインのR15Gを取り外して、3pinをCN10Gの3pinと接続して出力を2系統設ける事にしました。

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基板に抵抗が5本並んで実装できるようになっていますが、右から2本目をカットしました。代わりに、ハンダ面で3ピン同士を接続しています。

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これでケーブルを分岐させる事なく、2枚のDAC基板へ信号を出力する事ができます。続いて改造したこのピンヘッダとDAC基板間の配線を行います。応用篇の説明によるとこのオーディオシリアル信号は「よじって配線してください」と記載されていました。よじる効果はどれほどかわからなかったので、事前に4芯シールドケーブルを購入しておきました。共立エレショップのソフトタイプ仕様のものです。配線は下図のとおり、2ピンと3ピンを入れ子にする必要があります。

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このケーブルの作成には手間がかかりました。2種類の径の熱収縮チューブを駆使して見栄えを考慮しています。

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写真は4芯を接続したところです。左に写っているのが熱収縮チューブで、この後右にずらしてドライヤで加熱しました。写真には写っていませんが、写真右外のシースに熱収縮チューブを被せてあり、このハンダ部に熱収縮チューブをスライドして再度ドライヤで加熱すると加工完了です。反対側も同様に処理をしました。完成したケーブルで基板間を接続しました。

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見栄えはまあまあではないでしょうか?次はDAC基板の電源配線を行います。供給電圧は5Vと3.3Vです。3極のQIケーブルをカットしてデジアナ電源基板と接続しました。(本記事アイキャッチ写真参照)これでDAC動作をさせるための最低限の配線が終わりました。次回はこの状態で動作確認を行います。

 

つづく(製作編17)