DACユニットの検討(製作編18)

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製作編18

前回紹介が漏れてしまったcold系の動作確認を行い、順番が逆になりましたが、オシロFFT機能の確認と、現行DACユニットの特性測定を行います。

Cold系DAC動作確認

Hot系と同様にCDプレーヤーで0dB 1KHzの正弦波の再生を行って出力波形をモニタしました。回路図上はCold系ですが、現状はDACがステレオ動作をしているので、別チャンネルの波形をモニタしている事になります。

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所定の波形の確認ができました。ノイズレベルも前回の記事で紹介したレベルで違いはありませんでした。

オシロFFT機能

予定を変更して、今回測定に使ったオシロFFT機能の確認を行います。オシロはOWONのエコノミータイプのSDS1102で、1GHzサンプリング、100MHz帯域です。今回の測定結果では、7.8Vppが約-10dBと表示されていました。方法は発振器で正弦波を入力して表示を確認しました。

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最初に1KHz 8Vppの信号を入力して表示の確認です。

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1KHzの表示は-10dBでした。ブレッドボード測定時は7.8Vpp -10dBだったので、ほぼ同等の結果となっています。8Vppの正弦波は2.83Vrmsなので、この結果からFFTが示す0dBは25.3Vpp、8.95Vrmsと算出できます。この基準値はいったい何なのでしょうか?次にレベルを約1/10の784mVppを入力してみました。

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1KHzの結果は-30dBと、レベルに見合った表示となっていました。次は周波数を5KHzに上げてみました。レベルは8Vppです。

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レベルのピークが5KHzに移動し、レベルは-10dBを示しています。これらの確認結果から0dBの基準はよくわかりませんでしたが、ノイズの周波数解析に使用できると改めて判断しました。

DAC-1000の特性

せっかくなので、現行DACユニットのDAC-1000の特性を参考に測定してみました。測定はR-chのバランス出力をモニタしました。最初に1KHz 0dB再生の確認です。

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バランス出力で12Vpp、4.26Vrmsです。カタログ上のスペックは4Vrmsだったので、何らかの負荷前提の数値でしょうか?次は20KHz 0dB再生です。

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波形が若干荒くなりましたが、何ら問題ありません。続いて1KHz -60dB再生です。

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波形はノイズが増えましたが、正弦波は視認できます。この時の波形をFFT解析してみます。

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レベルは-76dBで、ノイズレベルは-101.6dBを示しています。0dB基準のダイナミックレンジは約86dBと算出できます。さらに測定レンジを広げてみました。

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5MHz帯域では、ノイズレベルの上昇等確認できませんでした。市販品なので、さすがにそつなくまとめられている事が確認できました。前回の記事の測定結果と比較すると格段の差があります。製作中のDACユニットはブロックごとに別基板となっている事で、ブロック間のGND電位がノイズの点で不利で、かつアンチエイリアスフィルターも1段しかかけていない事も不利に働いていると考えられます。今回の確認で、製作中のDACユニットの実用化へのハードルが高い事を認識しました。次回はノイズ検討は一旦保留して、残りの基板の実装を行います。

 

つづく(製作編19)