DACユニットの検討(製作編20)

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製作編20

部品実装が全て完了したので、Rチャンネルの動作確認を行い、モノラルモード動作確認の準備も行います。

Rチャンネル動作確認

Rチャンネルとはいえ、まだDACのモノラル動作設定ができていないので、動作自体はステレオモードとなっています。この確認では、本製作で気になっていた点の1つ、SPDIF基板出力の分岐の確認も行います。十分配線確認して電源オンしました。とりあえず何もおきません。早速1KHz 0dBの再生を行ってIV変換基板出力をモニタしてみました。波形は出力されているものの、定期的に表示波形がちらちら変動しています。何回か波形を止めたところ波形がずっこけている事が確認できました。

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再生を止めて無音状態にしたところ、ずっこけるタイミングでノイズが発生している事も確認しました。

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試しにLチャンネル側の分岐出力を外してみたところ、正常な波形に戻りました。但し、DAC入力側を外しても状況は変わりませんでした。心配していた点で問題発生です。配線を元に戻してDAC入力のオーディオシリアル信号のLRCKとBCKをモニタしたところ、定期的にBCKが変動している事も確認できました。以上の状況から配線に使用した4芯のシールドケーブル起因と考えて、QIケーブルをそのまま使ってみる事にしました。但し、2ピンと3ピンを入れ替える必要があるので、コネクタハウジングから対象のピン外して入れ替えをします。

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ハウジングのストッパ部分をピンセットで少し持ち上げて、対象の電線を引っ張ると抜けました。2ピンと3ピンを入れ替えて再接続します。

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Rチャンネルはまだシールドケーブルのままです。あまり期待せずに電源オンして再生したみました。ずっこけ現象は発生しなくなりました。このままでは見た目も良くないので、電線を編んでみる事にしました。5本編み線のやり方が分からなかったので検索したところ、Youtubeに編み方の映像が沢山あり参考にさせてもらいました。先ほどの要領で4本ハウジングからピンを抜いて5本編みをしました。ケーブルはすっきりしましたが、改善効果が気になります。先ほどと同様に配線して確認しましたが、問題ありませんでした。特性を揃える為にLチャンネルのケーブルも同様に変更しました。

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両チャンネルともに少し長いですが、ブレッドボードの確認はこのまま進めます。5本編みケーブルの影響を確認する為に-60dB 1KHz再生時のノイズ特性を確認します。Lチャンネルと同様に測定を行いました。

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ノイズレベルは1KHzのレベル比で約-16dBでケーブル変更前と変わりませんでした。SPDIF出力の分岐問題は、ケーブル変更で解決しました。やれやれ。

LCD表示不具合

動作確認中に、時々表示が欠落する現象が発生していました。動作確認に影響はなかったため、ずっと放置してきました。

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ユニットに組み上げた後は、見た目の品質に影響するので、対策を検討します。ソースコードを眺めて、エイヤーで対策を入れてみました。入れた対策は下記のとおりです。

LCDクリアコマンド実行後に100msのウエイトを挿入

LCDカーソル設定コマンド実行後に100msのウエイトを挿入

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上記のコマンド受信後の動作中にprintコマンドを受信している可能性を考慮した対策です。変更後の確認では、現象の再現はしませんでしたが、当面様子見したいとおもいます。

DAC基板モノラル動作

PCM1972Aは、SPIとI2Cのコマンド受信機能を持っています。このデジットキットでは、JP1Bにショートジャンパを挿すとSPIモードでオープンのままの場合はI2Cモードの動作となります。マイコンインターフェース系の接続情報は以下のとおりです。

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次回はPCM1792のマイコンインターフェース仕様を理解してモノラルモード設定の準備を行います。

 

つづく(製作編21)