DACユニットの検討(製作編29)

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製作編29

ブレッドボードの動作確認が終わったので、音を聴いてみます。

音聴き準備

最初に真空管ヘッドフォンアンプに接続して音を聴いてみます。接続用にXLRコネクタ変換ケーブルを作成しました。3極の端子台出力をXLRコネクタに変換します。

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製作した変換ケーブルをブレッドボードに接続しました。

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ヘッドフォンアンプ接続前に、再度出力オフセット電圧を確認しましたが、結果は安定していて調整直後(+/-0.2mV以下)と変化はありませんでした。どの程度効果があるかわかりませんが、固定用のアルミ板に各電源のGNDを接続しました。

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追加で穴開けがしたくなかったので、+/-15V電源固定用スタッドに共締めしています。これで音聴きの準備完了です。

音聴き1

音聴きの最初は、真空管ヘッドフォンアンプを使います。万が一のトラブル時の影響を考慮した対応です。最近あまり出番がなかった真空管ヘッドフォンアンプとバランスヘッドフォンを引っ張り出しました。

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ヘッドフォンアンプのボリュームを絞って電源オンし、CDの再生をスタートさせました。ボリュームを少しづつ上げていくと、無事音楽が聴こえてきました。さらにボリュームを上げましたがちゃんと鳴っています。普段ヘッドフォンは使っていないので、音の印象については、1000Mマルチアンプシステムで鳴らした際にまとめさせていただきます。停止・再生・選曲動作をさせても問題はありません。次にディスクに入れ替えてみましたが、ディスクがロードされた瞬間にノイズが発生しました。検討が必要ですが、このまま再生確認を続けます。入れ替えたディスクは以前から気になっていた録音レベルの高いJ-POPです。再生波形をオシロスコープでモニタしていたのでこれを機会に、再生状態を確認してみました。

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このディスクの中でも特に録音レベルの高そうな曲(浪漫飛行のカバー曲)を再生します。カーソルラインが0dB再生時のピークレベルを示しています。案の定、クリッピングが発生していました。特に画面右端は盛大にクリップしています。話は逸れてしまいますが、CDの録音レベルについてネットで検索したところ音圧戦争(ラウドネスウォー)として議論されていました。多少クリップをさせてもクリップを感じさせないぎりぎりまで録音レベルを上げて音の第一印象を良くする手法のようです。再生機器の各段の分解能を上げる面では有効だと考えますが、どこまでやるか次第と思いました。それでは本題に戻ります。一通り音楽を聴きましたが、1回発生したノイズ以外は問題なさそうです。

ノイズ検討

これも以前から気になっていた、パルストランス前後の回路を再確認します。図はパルストランス添付の説明書の抜粋です。

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現在はこの定数で回路を組んでいます。さらに下の図は、DAIレシーバー基板のデジタル入力部の回路の抜粋です。

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CN1Gにパルストランスの2次側が接続されています。インバーターの入力にCRがある事から、パルストランス基板に実装したCRは不要な事に気づきました。まずはオリジナルの波形を確認します。

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カーソル位置がおかしいですが、約320mVppです。次にパルストランス基板上の75Ωをカットして波形観測しました。

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波形のレベルは484mVppまであがりました。次はパルス基板上の0.1uFをショートします。

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ややレベルは上がりましたが、波形自体にはあまり変化はりません。この状態で改めていろいろな再生状態を確認してみました。結果は前回同様にディスクがロードされたタイミングでノイズが発生します。上記の対策は、今回の原因とは関係なさそうです。次回も引き続きノイズの対策を行います。

 

つづく(製作編30)