DACユニットの検討(製作編32)

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製作編32

ミュート回路実験基板の単体動作確認が終わったので、ブレッドボードに搭載して改めて動作確認を行います。

実験基板搭載確認

確認項目は、片チャンネル分ですが、GEN_FLAGによってディスクロード時のノイズにミュートが正しくかかる事を確認します。まずはミュート実験基板がブレッドボードに搭載できるように改造します。改造項目はミュート出力用に3極の端子台の追加とGEN_FLAG入力用に2極の端子台を追加しました。改造基板は、ダイナミックレンジ測定時と同様に終段の平衡不平衡回路基板にスタッドを使って段積みしました。

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ミュート出力は、平衡不平衡出力の端子台へ出力変換用のXLRコネクタ変換ケーブルと共締めしました。最初は実験基板への電源供給をユニバーサル電源で行い、GEN_FLAG配線を行わずにマニュアル操作でミュート動作確認を行います。

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赤黒白の網線で12Vと3.3Vをユニバーサル電源から供給しています。DACユニットの出力を真空管ヘッドフォンアンプに接続してCDを再生をスタートします。タクトSWを押すとLチャンネルのみミュート状態になりました。次はGEN_FLAG信号を実験基板に入力して動作確認を行います。GEN_FLAG出力はDAI基板の7極のピンヘッダに割り振られています。2ピンがGNE_FLAGで7ピンがGNDです。7極のQIケーブルは購入していなかったので、4極と3極のQIケーブル2本で接続します。最初は単純に接続して動作確認をしました。

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ディスクのローディングを何回も繰り返しましたが、Lチャンネルからノイズの発生はありませんでした。結果に満足し、1度痛い目にあっていますが、電線をシールドケーブルに変更してみます。入力部の基板から出力段の基板へデジタル信号を電送する事になるので、気休めかもしれませんがノイズ対策としてトライしてみました。ケーブルは他でも使用しているベルデンの2芯ケーブルを使用しました。ケーブルはこんな感じです。

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改めてディスクのローディングを繰り返して音を聴いてみますが、せっかくなので動作波形のモニタを同時に行いました。先ほどと同様にノイズは想定どおりミュートされています。動作波形はいくつもセーブしましたが、特徴的なもの2枚を掲載します。

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両写真ともに、上の波形が終段トランジスタのコレクタ電圧で0Vミュート解除です。下の波形はGEN_FLAGで'H'でミュートです。最初の写真はGEN_FLAGの暴れを吸収して安定した状態でミュート解除されている事がわかります。またミュートオン時の操作コイルの逆起電力も事前確認のとおり約25Vにクリップされています。下の写真では、途中で一旦ミュート解除されていますが、その後すぐにミュート復帰して安定した段階で改めてミュート解除されています。両方の状況でノイズの発生はなかったので、このままの回路で実装を進める事にします。気になった点は、下の写真の状況でミュート用のリレーが複数回カチカチ音をさせる事でしょうか。最後は電源の供給を電源基板から行います。デジアナ用8V/5V/3.3V出力基板を取り外して12V出力を追加するために改造を行います。電源ランプ用の2極の端子台脇に12V電源出力を取り付けました。

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取り付けた端子台の背面に平滑用の4700uFの電解コンデンサがあり、その端子へ被覆線で接続するだけだったので改造は簡単に終わりました。改造した電源基板を元通り取り付けて、配線を行います。配線の本数が多いので間違えないように戻しました。追加した電源出力と、実験基板の電源端子を接続して動作確認の準備完了です。確認は問題なく終わったので、回路はこれでフィックスとします。次回は実装用に回路図を改めて作成し、ミュート回路を正規実装します。


つづく(製作編33)