製作編6
DACユニットの配線が終わったので動作確認を行い、さらに最終の音聴きをします。
通電
配線は終わったものの、通電に躊躇しています。配線の本数が多く、接続間違いによりこの段階で基板を壊してしまったら代替え基板の金銭的ダメージよりも精神的なダメージが計り知れません。特にデジットキットを流用した基板の端子はピンヘッダタイプなので、逆向きにも、ピンズレしてもコネクタが接続できてしまいます。唯一、QIケーブルの茶色を1ピンとする事としたので、接続確認は容易です。但し2ピンケーブルは赤と黒なので改めて説明書を見直しながら接続確認を行いました。特に問題はなかったので意を決して電源オンしました。LCDパネルの表示は問題なく遷移しました。一旦電源オフして呼吸を整えてから再度電源オンして、出力オフセット電圧測定を行いました。4出力ともに1mV以下で問題ありませんでした。
動作確認
さっそく信号を入力して出力波形を確認します。
オシロスコープのプローブをLch_HotとColdに接続して、Lch 1KHz 0dBの正弦波を再生しました。出力波形は以下のとおりです。
仕様どおりで問題ありません。再生トラックを変えてRch 1KHz 0dBの正弦波を再生させました。仕様どおり出力でませんでした。次に再生を止めて無音時のディザ波形を観測しました。
上が128fs時で下が64fs時ですがどちらも問題ありませんでした。最後に無音時のノイズスペクトラムを観測します。
同様に上が128fs時、下が64fs時ですがブレッドボード確認時と変わりありませんでした。最後にATTを機能させて波高値を確認しましたが問題ありませんでした。同様の確認をRchも行いましたが問題ありませんでした。あれほど配線間違いを心配していましたが、動作確認は完了しました。
配線見直し
DAI出力とDAC入力間の接続は、オリジナルのQAケーブルを使っているので線長は30cmです。5本の電線を編んで使用していますが長すぎます。特性上で問題は起こっていませんが、見た目の改善の為に短くします。使用中の電線をカットして長さを調整して再接続しました。
ハンダ部は熱収縮チューブを被せて保護しました。割と手間がかかる事と、万が一に備えて1本のみを改造して動作確認を行いました。先ほどと同様に出力をオシロでモニタして正弦波を再生しましたが、あらら、ブレッドボード製作時にシールド線を使ったときと同様に波形がずっこけています。どうやら電線の容量だけではなく微妙な特性が影響を与えているようです。見栄えだけの問題だったので、ここは大人しくオリジナルのQIケーブルを編みなおして使用する事にしました。
音聴き
最初にヘッドフォンアンプに接続して音を聴いてみました。特段問題はなかったので次は1000Mマルチアンプシステムに組み込んで聴いています。セットアップは写真のとおりです。
下から今回製作したDACユニット、その上がバランス3wayチャンネルデバイダ、さらにその上が12chアッテネータです。ここで初めて気づきましたが、電源SWの位置がチャンネルデバイダと微妙に異なっています。図面を確認したところ、DACユニットの電源SWの方が7mm内側となっていました。いまさらどうにもならないので、次回以降の製作では注意したいとおもいます。音の印象は「DACユニットの検討(製作編34)」を参照いただければとおもいますが、ウーハーchの完全DC化と、8倍オーバーサンプリング前提の比較的軽いアンチエイリアスフィルターの効果が感じられる再生音です。正直、いい感じに仕上がったとおもいます。次回はDACユニットの製作のまとめを行います。
つづく(まとめ編)