番外編39
今まで製作したユニットのメンテナンスを行います。
DACユニット
完成したばかりのユニットなので、メンテナンスというよりも後日譚です。完成した翌週末にのんびりCDを聴いていました。1枚目を聴き終わり2枚目の再生を始めた直後にPLLのロックが外れ始め、その間隔がみるみる縮まり、1分もしないうちに断末魔に襲われたような音を発して再生が途絶えてしまいました。発せられた音はどうやらミュートリレーが昔のブザーの様な動作をした為の様です。ロック外れという事でDAI基板になんらかのトラブルが発生したと考えられますが、あまりのショックでその日は何もしませんでした。翌日、トップカバーを開けて内部を確認しました。
見た目上の異常はありません。電源オンしてCDを再生させましたが、ロックしません。DAI基板の出力信号をオシロスコープでモニタしましたが、正しく出力が出ていないようです。念のため、DAI基板の入力信号をモニタしたところ、あれれ?入力がない??リアパネルのRCAピンジャックをモニタしたところオーディオシリアル信号が確認できました。そうすると、オーディオシリアル信号の配線か、パルストランスが乗った絶縁基板が原因と考えられます。絶縁基板の入力端子台を確認したところ、シールド線の芯線が正しく挿入されていませんでした。芯線を正しく挿入して端子台を締め直したところ、不具合は直りました。典型的な初期不良です。ほかの配線も見直してトップカバーを取り付けて修理完了しました。やれやれな週末となってしまいました。
12chアッテネータ
動作上は全く問題ありませんが、時々アッテネーションのマイナス表示が欠落します。完成直後から時々起こっていましたが、放置していました。
ミュートボタン以外の次のアクションで復帰します。ミュート処理以外は、7セグ表示ユニットに表示内容を再送信している為と考えられます。表示ユニットは異なりますが、DACユニットの表示でも同様にコマンド受信に失敗する不具合があり、コマンド発行後にwaitを入れて対策しました。これと同様な事が発生していると推定して同様の対策を入れる事にしました。マイナス表示は、他の表示とは異なり、Individual Segment Control Command 0x7Cを使用しています。このコマンドを送信後に具体的な表示内容(マイナスに相当するセグメントのみ点灯させる)を送信しています。とりあえずここに1msのwaitを入れてみました。
修正したソース内にデバッグ用のシリアルモニタ出力が残っている点を見つけました。せっかくなので、不要なデバッグ処理なのでコメントアウトしました。
修正ソースをコンパイルして、正しくバイナリが生成される事を確認しました。実機のマイコンにバイナリを転送します。
写真センターがマイコンボードですが、フロントパネル側にUSBポートがあります。フロントパネルとのクリアランスが小さく、このままではUSBケーブルが接続できませんでした。仕方がないので、一旦フロントパネルを外して少しずらし、その隙間からUSBケーブルを接続しました。
これで無事にバイナリの書き込みができました。この状態でキー操作をしてみましたが、問題ありませんでした。一旦電源オフしてフロントパネルを元どおりに取り付けて改めてキー操作を行いました。問題なかったので、これで当面様子を見たいとおもいます。次回はボリューム付きのBTLアダプタの修理を行います。
つづく(番外編40)