無帰還広帯域真空管アンプ(設計編2)

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設計編2

回路設計が終わったので部品の選定を行い加工図の作成準備をします。

準備

ケースは、現行のHigh-ch用アンプと同じリードのMK-380を使用します。

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現行機のケース選定当時、真空管ヘッドフォンアンプと同じサイズの(現行機よりも1サイズ小さいMK-350)ケースの検討も行いましたが前後方向の寸法が短く断念した経緯があります。また真空管ヘッドフォンアンプは出力トランスと電源トランスの間隔が離せずに電源トランスの漏洩磁束によるハムに悩まされました。これら経験からケースを選定しました。加工図を作成するにあたり、部品の寸法確認が必要ですが、まずは自前の大物部品の在庫を確認してみます。

在庫確認

真空管用9ピンソケット4個を見つけました。

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今回の製作では6個必要なので追加で2個購入が必要ですが、非ブランド品をアマゾンで都度購入しているため、同じ物が手に入るかわかりません。とりあえず図面は在庫品の寸法をもとに作図しておきます。

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万が一形状が異なった場合、新規購入品を終段管用に当てる等工夫したいとおもいます。続いて12AY72個を見つけました。

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electro-harmonix製のものです。今回は4個必要なので同じブランドのものを2個購入します。次は6N6Pです。

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在庫は4個です。この真空管もノーブランド品をアマゾンで都度購入しています。いつ在庫切れになるかわから球なので、今回使用する2本を購入する事にします。

一次部品選定

加工図作成に必要な部品の選定を行います。今回も出力トランスを縦型取り付けする為にトランスケースを使用します。前回は東栄変成器のトランスケースSを使用しましたが、取り付けに少し苦労しました。今回は少し値段は高くなりますが、ハイグレードトランスケースSを使用する事にします。

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違いはトランス取り付け用のフランジとケースが別ピースになっている点です。この構造により取り付けがだいぶ楽になります。寸法は以下のとおりです。

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次は電源基板用のユニバーサル基板を選定します。今回搭載する回路はC電源(-5V)のみなので終段のバイアス調整回路を実装する基板と同じもの(秋月電子両面ユニバーサル基板Dタイプ)を使用したいとおもいます。

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次は電源スイッチを選定します。現行機はパドルスイッチを採用しましたが見た目が今一つでした。会社の同僚が担当製品でかっこいいロッカースイッチを使っているのが目にとまり探してみました。秋月電子で検索しましたが、ヒットしませんでした。続いて共立エレショップで検索したところ波動スイッチの名称のものがヒットしました。念のため秋月電子で波動スイッチで再検索したところ同じものが見つかりました。

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この構造であればシャーシ加工部がフランジで隠れるためかっこよく取り付けができそうです。ロッカースイッチと波動スイッチの違いを検索したところ、メーカーによる呼び方の違いのようです。やれやれ。続いてスピーカー端子を選定します。今回は共立エレショップで写真のものを選定しました。

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仕様は以下のとおりです。

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回り止め構造はなさそうですがバナナプラグの使用を前提としているので問題ありません。すでに選定済みの電源トランス(PMC-130)とチョークトランス(PMC-1010H)の寸法情報も掲載します。

■PMC-130

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■PMC-1010H

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ケース購入

最後にケースの購入先を決めます。ブランド品なのでいろいろなルートから購入ができます。下記が2021年1月10日時点の価格一覧です。

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予想に反して、マルツオンライン様の価格が一番やすい事がわかりました。送料は確認していませんが、今回は他にも購入するものがあるため送料の確認を省略しています。これでシャーシ加工図作成に必要な部品が確定しました。今回選定した一次部品リストを参考に掲載します。

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次回は選定した部品寸法を元にシャーシ加工図を作成します。

 

つづく(設計編3)