無帰還広帯域真空管アンプ(設計編3)

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設計編3

選定した部品情報を元にケースの加工図を作成します。

フロントパネル加工図

現行機の加工図(下記)を元に修正を行います。

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変更点は電源スイッチと電源ランプです。電源スイッチはパドルスイッチから前回の記事で選定した波動スイッチに変更します。

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電源ランプは変更した意識はありませんが、穴経を選定部品の仕様に従って変更しました。ハンドルはいつものとおり近所のスーパービバホームで角型配管固定用の金具を調達しました。

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1個148円です。ネジ径は1/4インチです。このハンドルはボンネットを取り付けていない状態の運搬用とスイッチ類のガードが目的です。修正後の加工図は以下のとおりです。

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リアパネル加工図

リアパネルも現行機の加工図(下記)を元に修正をします。

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変更点はスピーカーターミナルのみです。穴径変更と回り止めの削除です。他部品は現行機と同じものを使用するため変更不要です。

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シャーシ加工図

これも現行機の加工図(下記)から変更します。

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変更点が多い為、分割して修正を加えていきます。最初は電源回路部です。変更点は電源基板が小さくなる代わりに、チョークコイルが追加となります。電源基板の位置を継承すると、チョークコイルは電源トランスの前の配置となります。現行機は、電源トランスを見た目の安定感からシャーシセンター配置としましたが、約10mm後ろにずらして、チョークコイルの設置スペースを確保しました。電源基板も合わせて後方に10mmずらしました。下記が修正した1次修正加工図です。

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続いて真空管ソケットの取り付け加工です。片チャンネル3本をフロントに並べました。フロントにはチョークコイルがあり、間隔を縮めなければ並べられません。幸い、同じ真空管を使っている現行アンプ及び、ヘッドフォンアンプともに発熱量は少ないので問題ないと判断しました。修正した2次加工図は以下のとおりです。

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次は出力トランスのケースの取り付け加工部を修正します。寸法を再確認したところ、あっ!やらかしてしまいました。選定したケースでは、選定した出力トランスが入りません。トランスケースSとハイグレードトランスケースSでは対応する出力トランスが異なり、サイズの違いを見逃していました。本来であれば加工図を作成してから部品発注を行うべきですが、記事の余裕がないため、ハイグレードトランスケースSは発注済みです。トランスケースと選定済みの出力トランスの外形を整理します。

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ハイグレードトランスケースSは税込みで1万円弱と高額です。どうしよう・・・?。対応案を整理してみました。

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案2は、現行アンプ同一構成となりますが、高額なハイグレードトランスケースSが在庫として残ってしまいます。案3は、幸い出力トランスの発注をまだかけていなかった為にとれる選択肢です。出力トランスは東栄変成器製のハイグレードトランスケースSに適合するプッシュプル用出力トランスです。仕様は以下のとおりです。

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両トランスの特性の違い(特に周波数特性)が気になりますが、無駄な在庫発生がなくなる事と、新たな部品を試してみる事ができるので、案3で進める事にします。今回の教訓は名称のみで仕様を思いこんでしまう事はトラブルの素ということでした。次回はシャーシ加工図の出力トランス取り付け部の修正から再開します。

 

つづく(設計編4)