設計編5
出力トランスを元に戻し、設計を完了させて製作の準備を行います。
出力トランス再変更
前回の記事でハム性能を考慮して出力トランスを当初考えていた春日無線のKA-5-54Pに戻しました。それに伴い、トランスケースすも東栄変成器のトランスケースSを追加注文しました。これで出力トランスとトランスケースそれぞれ2個が残材として残ってしまいます。ここでHigh-ch用アンプでハムに拘る理由について触れておきたいと思います。現行の1000Mマルチアンプシステムのアンプとスピーカーは全て直結しています。
スピーカーユニットの保護の観点では、スコーカーおよびツイーターの接続にはハイパスフィルター用のコンデンサを直列に接続すべきですが、コンデンサによる音の色づけを避けるため自己責任でコンデンサを省いて直結しています。直結で一番問題になる点はアンプの出力DCオフセットですが、どちらのチャンネルも出力トランスがあるためDCオフセットは原理的に発生しません。次に問題になるのはハムです。ハムは音を濁すだけではなく、最悪スピーカーユニットにダメージを与えてしまいます。現行機では、高能率のヘッドフォンを接続しても聞き取れないレベルに収まっている為、直結しています。
出力トランス変更対応
まず初めにシャーシ加工図を完成させます。幸い真空管の配置変更まで行った図面をそのまま使用する事ができました。
次に回路図を変更します。最後に修正した回路図の出力トランスのみ元に戻しました。
最後に部品表を変更します。電源部品表は影響ないのでアンプ部品表のみの修正です。
トランスケースと出力トランスを変更しました。変更部品の追加注文も合わせて行いましたが、東栄変成器様へは、あまり間をあけずに下記のとおり3回注文を行ったので変な客と思われたかもしれません。
1)ハイグレードトランスケースS 2個
2)出力トランスOPT-5P 2個
3)トランスケースS 2個
その都度送料907円がかかってしまいました。とほほ・・・
製作準備
製作に入る前に、簡単なジグを製作します。私の真空管アンプ製作では、フォーミングのしやすさと、半導体アンプに比べて回路内のインピーダンスが高い事から、導線径0.65mmの単線ワイヤを内部配線に使ってきました。具体的には秋月電子の2m10色セット協和ハーモネット製のもので620円です。
被覆の色により使用率が事なるため無駄が発生していました。アマゾンで検索したところ同じ物が50mで1,882円で販売されていました。単価は秋月電子が31円/m、アマゾンは37.6円/mと割高となりますが、無駄がなくなる事から3色(赤、黒、青)を注文しました。
写真のとおりラップを外すと電線がばらけてしまい使い勝手が良くありません。仕方がないのでジグを製作しました。材料は梱包用ダンボール、棚の背面板で余ったパルプ圧縮パネル、長尺のφ4のネジ2本とナット2個、ガムテープです。詳細な製作は省略します。下記が完成写真です。
軸は、両サイドのパルプ圧縮板に長尺のネジ2本をナットで固定しています。
この構造は、真ん中のリールを交換する際に両方のネジを緩めなければならない欠点がありますが、ありもので作ったので割り切っています。話をアンプ製作に戻します。構想検討および設計でかなり時間がかかってしまい、記事の余裕が全くなくなってしまいました。次回から製作を開始します。
つづく(製作編1)