無帰還広帯域真空管アンプ(製作編8)

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製作編8

B電源配線の続きから再開します。

配電用ラグ板加工

前回の記事に引き続き平ラグの加工を行います。反対側の各端子も同様に被覆を剥がした銅線でハンダ付けしました。

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ポリウレタンの被覆を剥がすには、細い四角棒状のヤスリが作業性がよかったです。ハンダは熱量が必要なので40Wのこてを使いました。

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ハンダ付けを終えて、元どおりシャーシに固定しました。

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続いてGND配電用のL型ラグ板を加工します。加工方法は平ラグと同等です。

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固定用のラグ端子もGND配線をしていますが、シャーシへはここから1点アースとしています。加工完了したL型ラグを元どおりシャーシに固定しました。

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B電源配線

参考に電源回路を再掲載します。

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初めに整流用ダイオード2個を電源トランスの二次巻き線端子に直接ハンダ付けしました。反対側のリードは後でショート防止の為に被覆をかぶせる予定です。続いて電源トランスの二次側センタータップにGND配線します。配線は一旦平滑用電解コンデンサを固定しているL型ラグ板を経由して、GND配電用のL型ラグの1点アースとしたラグ端子に接続しました。

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次にチョークコイルの配線を行います。以下がチョークコイル添付の説明書ですが、黒の電線に「●」マークが付いています。

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今までコイルをちゃんと使った事がなかったのであまり意識していませんでした。ネットで調べたところ、巻き初めを示しているとの事です。結局あまり考えずに配線をしてしまいましたが、後で「巻き初め」=「コアに近い」事からリップルの大きな整流ダイオード側に配線した方が良かったのではと思いました。

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続いて整流ダイオード出力の配線を行います。上で説明したとおりリードに絶縁用の被覆をかぶせて、フィルムコンデンサを取り付ける予定のL型ラグ板へ配線しました。

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次は平滑用電解コンデンサのGND配線を行います。L型ラグ板端子間を黒の被覆電線で接続しました。

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続いて整流ダイオード出力にフィルムコンデンサを取り付けます。回路図では0.47uFとしていますが、注文したものが見あたらくなってしまった為、サイズは大きくなりますが、在庫の1uF品を取り付けました。

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最後に電源出力を赤の被覆電線で、配電用の平ラグへ配線しました。

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まだ臨界電流を流す為の抵抗(ブリーダー抵抗)および電源出力部のフィルムコンデンサの取り付けが残っていますが、ブリーダー抵抗を仮固定しながらこの状態で動作確認を行います。

チョークインプット電源動作確認

私自身、真空管アンプでチョークインプット電源初採用なので事前に流す電流と電源電圧およびリップル電圧の観測を行って動作を把握しておきます。最初にヒューズホルダに2Aのガラス管ヒューズを取り付けました。

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ブリーダー抵抗を取り付けないと、チョークコイルが機能せずにコンデンサインプット電源と等価となり、出力電圧が約254V(180 x 1.41)まで上昇します。電源回路自体の耐圧は問題ありませんが、初段のみが接続された場合負荷が軽く(約2mA)ほぼコンデンサインプットと同等の動作となり設計よりも出力電圧が高くなる為、初段の等価抵抗を構成している真空管の耐圧(ヒーターとカソード間)が問題となります。終段の真空管交換時等を考慮してブリーダー抵抗を決める必要があります。ブリーダー抵抗用に3W品の10KΩと4.7KΩを各5本購入しているので、これを使って動作確認を行ってみます。

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はやる気持ちはミスの原因となりますので、確認は一息入れて次回とします。

 

つづく(製作編9)