無帰還広帯域真空管アンプ(製作編19)

f:id:torusanada98:20210404180617j:plain

製作編19

引き続きヒーターとカソード間耐圧保護対策回路検討を行います。

対策案2仕様確定

前回、ざっくり対策回路を描いたので実装の検討を行います。回路規模から今回終段バイアス回路実装する基板(47x36mm)にはさすがに部品が乗らないと考えて1サイズ上の基板(47x24.5mm)で実装検討を行います。急遽仕様変更して製作した電源回路を実装した基板(写真)と同サイズです。

f:id:torusanada98:20210325073120j:plain

改めて前回作成した回路図を再掲載します。

f:id:torusanada98:20210325073145p:plain

対策回路の電源は出力電圧は異なりますが、上記写真の電源基板実装の回路と同等です。基板の約1/3のスペースに実装できています。続いて手持ちの大物部品を基板に置いてみました。リレーは12chアッテネータ製作時の残り物のサイズが選定したリレーと同じだった為、代わりに使用しました。

f:id:torusanada98:20210325073204j:plain

作業は厳しそうですが、無理すれば実装できそうです。写真上側の2極の端子台2個が監視ポイントの電圧入力です。下側の3極および2極の端子台がヒーター用電源の入出力用です。なんとか部品実装はできそうですが、次の問題は基板の設置スペースです。未実装基板を置いて確認しましたが、シャーシ内に十分なスペースがありません。仕方がないので、取り付け済みの配電用の平ラグを移動して空けたスペースに実装する事にしました。

f:id:torusanada98:20210325073225j:plain

基板左側はスタッドが立てられますが、右側は出力トランスがあるためスタッドが取り付けられません。仕方がないので電源基板と同様に基板にスタッドを取り付けてシャーシへの固定はしない事にします。

部品発注

回路図を元に部品の発注を行います。上記で確認したとおり基板実装スペースの制約がある事と、電源電圧に余裕がない為に発注時に部品の再選定を行いました。リレーのドライバICは実装スペースを考慮して選定し直しました。

f:id:torusanada98:20210325073252j:plain

2SC2655L-Yです。東芝セミコンダクタのセカンドソース品でサイズも小さく、コレクタ損失900mWで今回の用途に適しています。次に電源回路も見直しました。C電源は負荷電流が10数mAでしたが、今回はリレー操作コイルだけで約23mA消費し、さらにオペアンプ2個とロジックICで電力消費します。三端子レギュレータ印加電圧が心配なため、整流用ダイオードショットキーバリアタイプに変更しました。

f:id:torusanada98:20210325073318j:plain

型式はSB340LS(40V3A)で順電圧仕様は0.44Vです。1クラス容量を下げると順電圧を約10%さげる事ができますが、余裕を見た選定をしました。さらに三端子レギュレータも低損失タイプに変更します。

f:id:torusanada98:20210325073336j:plain

東芝セミコンダクタ製のTA48M05F(S Q)です。ドロップアウト電圧は0.36Vと低電圧に強くなります。回路をシンプルにする為に、回路GNDをヒーター端子の0V側と同電位としていましたが、ヒーター回路のGNDはインダクタを通してGND接続されるため、その影響が気になり、シャーシGNDを専用に配線する事にしました。上記反映した回路図は以下のとおりです。

f:id:torusanada98:20210325073358p:plain

回路の見直しが完了したので発注用の部品表を作成して部品を注文しました。

f:id:torusanada98:20210325073417p:plain

一部在庫対応し、今後も使いそうな部品は余裕をもって注文しました。発注先は秋月電子で、総額は送料混みで2,090円でした。正直なところ、ここまでしてSRPP構成とする価値があるのか疑問に思いつつも、趣味なので後戻りも覚悟して進めていきます。次回は部品実装を行い動作確認を行います。

 

つづく(製作編20)