無帰還広帯域真空管アンプ(製作編25)

f:id:torusanada98:20210419072527j:plain

製作編25

初段の配線をきりのいいところまで行い、終段のバイアス設定基板の実装準備をします。

耐圧保護回路基板配線残り

前回の記事でL-chの入力配線まで行ったので、R-chの配線を行います。電線の被覆色はL-chと同じとして黄と橙を使用しました。まずは黄色の配線です。(本記事アイキャッチ写真参照)写真ではわかりずらいですが、R-ch初段のプレートと耐圧保護回路基板を接続している黄色の被覆の配線です。続いて残りの入力配線を橙の被覆電線で行いました。

f:id:torusanada98:20210419072549j:plain

配線の状態はこちらの写真の方がわかりやすいです。真空管側の配線は以下のとおりです。

f:id:torusanada98:20210419072609j:plain

初段電源配線

初めに電源基板出力と配電用平ラグ間を接続します。赤の被覆電線を使用しました。

f:id:torusanada98:20210419072630j:plain

初段の電源は、SRPP等価抵抗動作する真空管の1ピンと6ピンです。両ピンと上記で準備した配電用平ラグ間を赤の被覆電線で接続しました。

f:id:torusanada98:20210419072649j:plain

同様にL-chの電源配線も行いました。

f:id:torusanada98:20210419072713j:plain

配電用平ラグの周りの電線が込み合ってきました。

f:id:torusanada98:20210419072734j:plain

平ラグ左側の電線をもう少し左にずらした方がハンダ作業がやりやすかったです。

出力トランス巻き線抵抗測定

改めて回路図を掲載します。

f:id:torusanada98:20210419072756p:plain

出力トランスの一次巻き線の抵抗は、終段のバイアス電流観測に使用します。測定ポイントは、電源に接続された端子と、プッシュプル真空管のプレートに接続された2カ所間です。測定結果は以下のとおりです。

f:id:torusanada98:20210419074148p:plain

測定は、テスタのリードを直接接触させたときの測定系の抵抗値を差し引いています。L-ch/R-chともに、黒-灰間の抵抗値の方が黒-赤間の抵抗に比べて2割程度高い値になっています。巻き位置の違いによる電線長の違い起因と考えられます。各抵抗による電圧ドロップ値から終段のバイアス電流を算出します。気が早いですが、バイアス値調整用のシートも作成しました。それぞれの電圧ドロップ値を入力するとバイアス電流が算出されます。

f:id:torusanada98:20210419074420p:plain

終段バイアス用基板実装準備

シャーシ加工時に調整用半固定抵抗の穴の位置だし用に半固定抵抗をテープで貼り付けた基板を取り出して、シャーシの取り付け用のスタッドに装着しました。

f:id:torusanada98:20210419072826j:plain

初めに端子台の位置を決めます。実装する回路は下記回路図の赤枠点線内の回路です。

f:id:torusanada98:20210419075124p:plain

回路は2つのブロックで、終段バイアス電流設定用定電流回路と、プッシュプルのバイアス電流バランス調整用回路です。必要な入出力は、終段グリッド電圧調整用に2極と-5VとGNDおよび、終段プッシュプルのカソード電流出力でトータル5極が必要です。これを3極と2極の2つに分けて実装する事にします。配線先に位置を考えて写真のとおりの配置としました。

f:id:torusanada98:20210419072851j:plain

右の2極がカソード電流出力とGND用で、左の3極が-5Vと2本のGND電圧調整用です。写真はL-ch用ですが、R-ch用は左右反転した配置としています。この基板は、スタッド固定用の穴が2個のみなので、いつもの基板実装時のスタッドによるスタンド構造がとれません。仕方がないので、ダンボールとスタッドで簡易的にスタンドを作成しました。

f:id:torusanada98:20210419072912j:plain

スタンドの四隅はネジの頭が見えていますが、後でスタッド下とクリアランスを合わせるために、ネジの頭を下側に変更しました。基板の固定はナットでいちいち固定するのは効率が悪いため、端末保護キャップをスタッドのネジに被せて固定させます。

f:id:torusanada98:20210419072932j:plain

これで基板実装準備は完了です。次回は実装を行います。

 

つづく(製作編26)