設計編2
前回の検討結果に従ってアンプの回路図を作成します。続いて電源の回路検討を行います。
アンプ回路図
前回の検討結果を回路図に反映しました。
変更点は以下のとおりです。
・トランジスタ変更
2SC1815-GR → 2SC1815L-BL
2SA1015-GR → 2SA1015L-GR
2SC3851 → 2SC3422
2SA1488 → 2SA1359
・初段オフセット調整回路保護削除
・2段目差動Trバランス用にダイオード追加
・終段をパラレルコンプリメンタリからシングルコンプリメンタリ化
・電圧増幅段の電圧変更(+/-15V)
終段の電源電圧は、電源設計後に反映する予定です。
電源回路見直し方針
下記は、オリジナルのDCパワーアンプの回路図です。
この回路をベースに見直しを行います。見直しのポイントは以下のとおりです。
・うなりの抑制を考慮する
電源トランスの選定
・駆動力よりも余裕をもった配置を優先する
平滑用電解コンデンサ容量の見直し
電源トランスの選定
改造後に不要となったCT付きの12V/5Aの電源トランスが余っていますが、うなりの悪夢が蘇る為、使用を見送ります。大容量のものは使った事はありませんが、共立エレショップで販売されているトロイダルトランスで唸りに悩まされた事がなかったので、今回採用検討してみる事にしました。早速販売ページを確認します。
あまり大容量のものはありませんが、今回の用途に適したものが見つかりました。最初は終段用の電源トランスです。電源電圧から2次出力6V前後が要求仕様です。2次出力6.3V/1.6A x2と少し容量面では寂しいですが検討してみます。型式はHDB-25(6.3V)です。
フットプリントは70 x 70mmです。アンプの終段およびドライバ段のバイアス電流の合計は約0.5Aです。モノラルBTL分で1Aなので、少し余裕はあります。次に電圧増幅段電源用トランスを選定します。電圧増幅段のアンプの消費電流は約15mAで、モノラルBTL分で倍の30mA程度です。今回は15V/0.2A x2のHDB-8(9V)を選定しました。
フットプリントは65 x 65mmです。念のためシャーシに配置できるか確認を行います。図面は使用するケースHY133-23-23SSのボトムパネルの図面です。
ボトムカバーの両サイドは放熱機能をもったサイドパネルに、前後はフロントリアパネルのフランジと干渉するため、部品の配置ができません。そのエリアを除いた部分が有効寸法として記載されています。有効寸法内に2つのトロイダルトランスが効率的に配置できるか確認しました。結果は以下のとおりです。
問題なく配置できそうです。電源トランスは仮決定とします。
電源基板
電源基板は、電圧増幅段用と終段用の2枚構成とします。シャーシの空きスペースから秋月電子型番でCタイプ(72x47.5mm)に実装せざる得ません。上記で検討したシャーシ配置図に2枚の電源基板を追加配置してみました。
両サイドの枠は、アンプ基板実装エリアです。サイドパネルにスタッドを立てて固定する前提です。余裕はありませんが、なんとか配置できそうです。次回は電源回路を決定し、2枚のCタイプの電源基板に必要な部品が配置できるか検討します。
つづく(設計編3)