製作編7
アンプ基板の初段の実装を行います。
アンプ基板初段実装
改めてアンプ回路図を掲載します。
初段は、Dual J-FETによる差動アンプ構成で、差動アンプのドレイン電流の和は、トランジスタによる定電流源により約2mAに設定しています。初段FETのミラー容量による高域特性の劣化を防ぐためにカスコード接続によりドレイン電圧を固定しています。カスコードを構成しているトランジスタのVceは変動しますが、ベース電位を固定している定電圧ダイオードのインピーダンスが低いため、ミラー容量の影響を無視する事ができます。負荷抵抗に接続した半固定抵抗は、あまり良い方法ではありませんが、オフセット調整用です。初めに半固定抵抗を実装します。電源入力用端子台から少し離して実装しました。
次に負荷抵抗を実装します。半固定抵抗の両端に接続します。
続いてカスコード構成としているトランジスタを実装します。2SC1815Lのhfe測定結果一覧から4ペアを選別しました。意図はありませんが、hfeの大きなものから選定しています。
使用したトランジスタは、測定結果一覧を網掛けしています。配置はベース端子が内向きに対抗するようにしました。
次はベース端子電圧を固定する定電圧ダイオードとバイアス電流用の抵抗を実装しました。配線ができる限りシンプルになるように配置をしています。
次は変換基板に実装したDual FET装着用の6ピンソケットを実装します。ドレイン配線がシンプルになるようにソケットの向きを決めました。
続いて入力用の2極の端子台を実装します。実装位置は迷いましたが、電線配線時の作業性と実装配線の両方を考慮して、電源用端子台の隣に配置しました。
次に入力抵抗を取り付けます。実装位置は、入力用端子台のすぐ脇としました。
同様に差動アンプのマイナス入力の入力抵抗を取り付けました。
今のところハンダ面に被覆電線を使用していません。実装完了まで使わずに済むように気を使います。次は、初段の電流を決めている定電流源用のトランジスタを実装します。使用するトランジスタは、ペア選別から漏れたものを使用しました。
水色の編みかけのトランジスタを使用しました。実装位置は、接続する部品の配置も考えて決めています。
実装したトランジスタのエミッタとマイナス電源間に抵抗を接続します。回路図は4.3kΩとしていましたが、在庫がなかった為、3,9kΩを実装しました。若干初段の電流が増えますが体勢に影響はありません。
わりとゆったり部品を配置しましたが、それでもマイナス電源間に余白が残りました。初段最後は、定電流源用トランジスタのベース電位を決めるツェナーダイオードとバイアス電流を流す抵抗を実装しました。
電源用端子台と初段実装部品間を少し空けた為、バイアス電流用回路実装はあまり考えずに済みました。初段実装完了時のハンダ面はこんな感じです。
無理せず配線できたとおもいます。本記事のアイキャッチ写真は初段実装を完了した4枚の基板ですが、いい感じではないでしょうか?次回は2段目の実装を行います。
つづく(製作編8)