Hi-ch用トランジスタアンプ製作(製作編10)

f:id:torusanada98:20211017203010j:plain

製作編10

終段バイアス回路用のトランジスタモジュールの作成をします。

アンプ基板完成

前回の記事でアンプ基板の実装完了かとおもいましたが、帰還抵抗の実装を忘れていました。20KΩの抵抗を初段逆相入力とドライバ出力間に接続します。ここまでハンダ面に被覆電線を使用せずに実装してきたので、なんとか使わずに済ましたいところです。ハンダ面をじっと眺めて方針を決めました。

f:id:torusanada98:20211013072738j:plain

右の基板が帰還抵抗実装したものです。6ピンソケットの右側に20kΩを実装しました。部品面はこんな感じです。

f:id:torusanada98:20211013072756j:plain

同様に右側が帰還抵抗実装済みの基板です。ハンダ面に1本も被覆電線を使用せずに実装完了しました。この基板はスピーカーの駆動はできませんが、20dBのDCアンプとして動作可能です。

便利ツール

今回使用した東芝のセカンドソースのUTC製の2SC1815Lと2SA1015Lはオリジナルに比べて捺印の文字が小さく裸眼での識別は私にはできませんでした。アマゾンのページを検索したところLEDライト付きのクレジットカードサイズのポケットルーペを見つけました。1,000でお釣りがくる値段なので試しに買ってみました。

f:id:torusanada98:20211013072820j:plain

f:id:torusanada98:20211013072829j:plain

大きなエリアはx3で、右下の小さなエリアx6となっています。本体左にプッシュボタンがあり、押している間LEDランプが点灯します。さっそく2SC1815Lの捺印確認を行ったところ、x6エリアを使うと快適に視認する事ができました。こんな事ならもっと早く買えばよかったと思いました。

トランジスタモジュール製作

終段の温度補償をする為に、バイアス設定用の定電圧回路のトランジスタをモジュール化して、終段のトランジスタ用のヒートシンクに取り付けます。トランジスタモジュールの構造は、現行機と同じにします。トランジスタ取り付け用の基板を切り出します。切り出しはユニバーサル基板の穴3列を使える幅として、一番端のセンターの穴を固定用にφ3.2まで広げます。穴はドリルの刃を使って手動で穴径を広げました。

f:id:torusanada98:20211013072852j:plain

上記基板を途中でカットし、モジュール2個分の基板としました。

f:id:torusanada98:20211013072907j:plain

ヒートシンクへの取り付けは、M4のナットと厚さ調整用の平ワッシャを基板とヒートシンク間に挟んでM3のねじで固定します。平ワッシャとトランジスタの干渉を避ける為に、取り付け穴に合わせて平ワッシャを仮固定して、トランジスタの取り付け位置を決めました。

f:id:torusanada98:20211013072925j:plain

上記写真のトランジスタの捺印面が放熱シートを介してヒートシンク接触します。使用したトランジスタは、ペア選別漏れしたものを選定しました。

f:id:torusanada98:20211013073858p:plain

表中の水色の網掛けのトランジスタです。次は配線用の電線を準備します。配線は3本なので、赤黒の平行電線と白の平行電線をばらして、3色の被覆電線を用意しました。ばらけないように三つ編みします。

f:id:torusanada98:20211013072939j:plain

三つ編みが終わったら両端をインシュロックで固定し、基板の端子台に接続する側の端末処理を行いました。

f:id:torusanada98:20211013072957j:plain

基板モジュール側も芯線がばらけない様に先端のみをハンダして、基板に差し込みました。接続は、コレクタを赤、ベースを白、エミッタを黒としています。

f:id:torusanada98:20211013073018j:plain

これでトランジスタモジュール完成です。同様に残り3セットつくる必要がありますが、この作業は地味に大変で気が滅入ります。それでも気合いを入れて4セット完成させました。

f:id:torusanada98:20211013073032j:plain

各セットで電線長が異なるのはご愛敬です。問題があれば後で合わせたいとおもいます。次回は実装完了した基板に作成したトランジスタモジュールを接続してアンプ基板の通電確認を行います。

 

つづく(製作編11)