製作編12
アンプ基板残り3枚の通電確認とヒートシンクの加工をスタートします。
アンプ基板通電確認残り
残り3枚は、全てハンダ不具合起因により、オリジナルの完成状態では正しく動作しませんでした。原因特定は思いの外苦労しました。原因がわかってしまえば、各部電圧確認結果のつじつまが合い、全て他愛もない状態でした。今後の教訓として異常状態の確認時の心得を整理しておきます。
1)各部電圧確認時は確認ポイントで接続される全部品の端子電圧を確認する
2)部品不良はまずないと考えて、ハンダ不良(未接続 or 他とショート)を疑う
このたった2つを意識していれば、原因特定の時間は半減したとおもいます。
事例1
2段目の差動アンプ右側のトランジスタのエミッタとコレクタ間のハンダショートです。確認時の各部電圧は以下のとおりでした。
上記の結果を配線にミスがない前提で電圧を理解しようとすると、まったく訳がわかりません。2項の教訓を踏まえて確認を行っていれば、すぐに原因が特定できたと考えます。
事例2
ドライバ段のNPNトランジスタのエミッタ抵抗ハンダ忘れです。状態は以下のとおりです。
写真のとおり良く見ればわかる状態でした。同じ作業を4枚続けて行ったため、後半の基板実装時に集中力が途切れてしまいミスしたと考えます。この時の各部電圧は以下のとおりです。
これも配線が正しい前提で考えると、なんとも不思議な状態ですが、1項の教訓を踏まえて確認を行えばこの案件もすぐに原因特定できたとおもいます。
事例3
初段JFETのソース端子のハンダ忘れです。状況は以下のとおりです。
この時の各部電圧は以下のとおりでした。
ここでは、間違ったツェナーダイオードの取り付けを疑い、交換しましたが症状はかわりませんでした。ここでも教訓を踏まえて確認を行えばすぐに原因特定できたとおもいます。都合3枚の基板で、ハンダ忘れ2件、イモはんだ2件、ハンダショート1件とハンダミスのオンパレードでした。やれやれ。なんとか4枚の基板の動作確認が完了しました。
ヒートシンク加工
ヒートシンクには、上記で確認した基板と温度補償用のトランジスタモジュールおよび終段のトランジスタを取り付けます。すでに加工図は作成済みですが、実装完了した基板を使って図面どおりに取り付けた場合に不具合が起きないか、念のため確認を行います。方法はケースを仮り組みして、ヒートシンクに加工図を貼り付けて所定の位置に基板を置いて各部のクリアランスを確認します。まずはケースを仮り組みします。
設計編で一度組み立てていますのでわけありません。次にヒートシンク加工図を印刷します。
加工図は、左用と右用の2種類です。それを外形に沿って切り抜きます。
続いて、切り抜いた加工図をヒートシンクに貼り付けます。
そこへ、実装完了した基板を取り付けネジの位置を合わせてテープで仮固定しました。
フロントに取り付けたハンドルと、信号入力用の2極の端子台の位置が近いですが、問題はなさそうです。念のため電源基板も置いていました。
設計時の想定よりも、かなりすっきりした印象です。配線の作業性も悪くはなさそうです。反対側のヒートシンクの確認は、全てミラー対称なので省略しました。作成済みのヒートシンク加工図は問題ない事が確認できました。次回はヒートシンクの加工を行います。
つづく(製作編13)