Hi-ch用トランジスタアンプ製作(製作編14)

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製作編14

終段をヒートシンクに取り付ける為の終段モジュールの実装を行います。

終段モジュール

今回実装する終段モジュールは、回路図上の赤枠内の部分です。

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回路図は、前回検討を行った位相補償コンデンサの容量値と終段のパスコンを追加しています。終段モジュールに必要な入出力は以下のとおりです。

・終段電源(+9.6V/GND/-9.6V)

・信号入力(ドライバ段エミッタ2本/ドライバ段出力)

・信号出力

このモジュールをどのような構成にしたものか?実際にヒートシンクにユニバーサル基板を当てて考えてみました。

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コンプリメンタリの2つのトランジスタを1枚の基板に実装すると部品実装が楽になりそうですが、温度補償モジュールが干渉するため、基板を切り欠く必要があります。トランジスタの取り付け穴の間隔も、1枚の基板実装を考慮していなかった為に、1枚基板実装はあきらめました。配線は煩雑になりますが、コンプリメンタリトランジスタ専用の基板に実装する事にします。基板のサイズは、実装部品や配線を考慮して、幅9穴x高さ5穴としました。見た目を考慮して、基板前方をユニバーサル基板オリジナルのカット辺とします。

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入出力の配線の方法を考えます。一旦、端子台の実装を考えましたが、終段モジュールは、トランジスタのみで固定する為、端子台配線時のネジ締めに強度面で耐えられません。仕方がないので基板直出しにする事としました。基板の穴にダイレクトに挿せる電線の芯径は、温度補償モジュールの配線に使ったものが最大ですが、この電線では終段の電源供給には役不足です。手持ちのワンサイズ太い電線を挿す為には、穴径をφ1.2に拡大する必要があります。出力はさらにワンサイズ太い電線を使う為にφ1.5に穴を拡大しました。

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右は2SA用で左が2SC用です。2SC用の左端の大きな穴に出力用電線を挿します。写真ではわかりにくいですが、残り3カ所穴を拡大しています。それぞれ+/GND/-電源線を挿します。これで基板の加工は完了です。

終段モジュール部品実装

最初にモジュールに実装するコンプリメンタリペアトランジスタを選別します。下記はコンプリメンタリペア表ですが、今回は水色の編みかけのペアを選定しました。

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今回もhfe測定値が同じものをペア選択できました。コンプリメンタリペアトランジスタの端子の並びは同じなので、各基板の部品実装は同じにしました。

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実装部品は、エミッタ抵抗と電源のパスコンです。一旦部品を取り外し、トランジスタを仮止めしました。まずは電源配線を行います。コレクタ端子の手前の拡大した穴に電源用電線をさしてハンダ付けします。

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その電線とコレクタ端子を接続します。作業性を考えて、エミッタ抵抗のリードを利用しました。

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次にエミッタ抵抗とパスコンを実装してGND電線も接続しました。

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あとは、ベース入力配線をすれば完成です。同様にNPNトランジスタの終段モジュールも実装を行いました。この作業をトータル4ペア分行いましたが、かなり息切れしてしまいました。特に電線を基板の穴に挿す事が大変で、芯線1本がはみ出しては、芯線を拠り直しの繰り返しを何度も行いました。それでもなんとか4ペア分実装完了しました。次回は終段モジュールをヒートシンクに取り付けます。

 

つづく(製作編15)