Hi-ch用トランジスタアンプ製作(製作編17)

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製作編17

残り3枚のアンプユニットの通電と動作確認を行います。その後使い回しのフロントパネルとリアパネルを再組立に備えて処置します。

通電動作確認つづき

残り3枚のアンプユニットのうち2枚の通電&動作確認は1枚目と同様に行う事ができました。2枚目の各部電圧は以下のとおりです。

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1枚目の各部電圧とほぼ同じで安定した結果と言えます。正弦波入力による帯域の確認も同様に行いました。

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上が1KHz入力時の出力波形で、下が-3dB(1.7Vpp)出力時の出力波形です。周波数は4.2MHzで1枚目の結果と同等です。特性も揃っています。3枚目の結果は諸略しますが、今までの確認結果とほぼ同等でした。問題は最後の1枚です。通電開始後、終段のバイアス電流を調整するために、VR3を回しましたが終段の電流が思うように増えません。ボリュームを回しきった状態で終段の電流が約0.16Aでした。最後の1枚なのに・・・やれやれ。原因の特定を行います。アンプ基板単体動作確認は問題なかった事から、追加で接続した終段ユニットに原因があると考えられます。終段のトランジスタを実装している基板をざっと確認してみました。各部配線をピンセットでつまんで見たところ、1本が容易に動きました。場所はNPN基板の基板間のエミッタ抵抗接続ポイントです。

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典型的なイモはんだです。ハンダをやり直したところ無事に調整ができました。なんとか4枚の通電と動作確認が完了しました。

2段目バランス検証

前回の記事で2段目差動アンプのトランジスタ印加電圧のバランスをとるためのダイオードを1本へらす検討を行う事としていましたので通電結果をまとめてみました。

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表は、4枚の基板の通電結果から必要なポイントの電圧をピックアップしています。C1とC2は2段目のトランジスタのコレクタ電圧で、C2が出力側です。従ってC1-C2が小さい程、差動アンプのバランスが取れている事になります。R1は2段目差動アンプのダイオードが接続された側の負荷抵抗の電圧です。よってC1-R1は5本のダイオードのドロップ電圧となり、この電圧を5で割ると、ダイオード1本当たりの平均ドロップ電圧となります。C1'は、ダイオードを4本とした場合のC1電圧の推定値で、C1'-C2が変更時のトランジスタのコレクタ電圧の差の推定値となります。この結果から4枚の基板ともに、ダイオードを4本とすると差動トランジスタのコレクタ電圧の差が50%以上小さくなるる事が予想されます。ダイオードを取り付け直す事は面倒なので、追加したダイオードをショートする事にします。

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基板4枚ともに同じ改造を行いました。今回の改造に伴う通電確認は省略します。アンプ組み込み後に確認する事としました。これでアンプユニット4枚が完成しました。

ケース組み込み準備

ケースのフロントパネルとリアパネルは、現行のウーハー用アンプの電源トランスユニット増設の際に交換した物で中古品です。この為、フロントパネル、リアパネルともに必要ば部品の取り付けは終わっています。但し部品への配線は、無造作にカットしたままとなっているため、再配線しやすいように処置をします。

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写真はオリジナルの状態です。2色LED以外の部品にひげのように付いている配線を取り外しました。これでケースへの組み込み準備完了です。次回はボトムシャーシの加工を行います。

 

つづく(製作編18)