Hi-ch用トランジスタアンプ製作(製作編21)

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製作編21

1ユニット分の電源配線を行い、通電確認します。

電源ランプ

前回の記事で電源トランス二次出力の位相確認を行った際に気づいていましたが、電源ランプの点灯動作がおかしいです。改めて電源回路を掲載します。

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電源ランプの点灯仕様は、コンセントインで電圧増幅段の電源が入り、電源ランプが赤く点灯します。その後電源スイッチをオンすると、終段の電源が入り、電源ランプが緑点灯に切り替わります。確認状態では、コンセントインで緑点灯、スイッチオンしても緑点灯のままで、スイッチをオフすると一旦アンバー点灯となり、時間が経つと緑の点灯に変わりました。

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写真上がスイッチオン状態で、下がスイッチオフ直後です。直後といってもブレ防止の為、セルフタイマー撮影を行っているため、スイッチオフ後10秒以上経過している為、だいぶ緑に近い発光状態となっています。配線を見直すと、電圧増幅段用ランプ端子台と終段用ランプ端子台への接続が逆となっていました。上記の点灯動作も納得できます。早速正しい配線に変更した。

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改めてスイッチオフ時の電源ランプ点灯色を確認してみました。

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写真では橙に近いですが、肉眼では赤く点灯しています。

無負荷出力電圧

電源単体確認の最後は、出力電圧の確認です。確認は電源基板内の放電用抵抗のみの無負荷状態です。

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念のため複数ある出力用端子台の全端子電圧を確認しました。これで電源回路の動作確認は完了です。

アンプユニット電源配線

アンプユニットには3系統の電源供給をします。具体的には電圧増幅段、ドライバ段と終段です。終段は基板から電源線直出しですが、電圧増幅段とドライバ段はアンプユニットおよび電源基板の両側が端子台になっています。最初は電圧増幅段用電源ケーブルをつくります。平衡ケーブルをばらして、三つ編みにします。+15Vは赤、GNDは黒、-15Vは白の被覆線です。

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各電線を配線長に比べてやや長くカットして方側を万力で挟んで三つ編み作業をします。三つ編みが終わったらばらけないように両端をインシュロックで束線しました。

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次はドライバ段の電源配線を行います。上の電圧増幅段配線用ケーブルと同じ要領で編み線をつくります。接続先は終段用電源の端子台です。この電線は直出しなので短くカットしすぎると後が大変なので、慎重に長さを決めました。写真は終段用電源基板にドライバ段と終段電源を接続部分です。

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せっかくなので出力配線も行います。この電線も基板直出しなので慎重にケーブル長を決めてカットしました。スピーカーターミナル側はいもネジ止めです。

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通電確認

アンプユニット2枚同時に通電確認は大変なので、この状態で確認をお行います。改めてアンプ回路図を掲載します。

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この段階の通電確認の目的は、終段のバイアス電流の仮調整です。バイアス電流モニタ用に終段の直列に0.33Ωが接続された両端電圧をモニタします。この為にマルチテスタ用のプローブを購入しました。

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抵抗のリードが太く掴むは大変でしがなんとかセットアップできました。念のためオシロスコープで出力波形のモニタも行います。コンセントインで赤く電源ランプが点灯し、スイッチオンで緑点灯に変わります。モニタ電圧の設計値は約310mVですが、みるみる値が大きくなり、最大で380mVくらいまで上がりました。これ以上は危険なので、VR3で再調整をして一旦350mVくらいまで下げました。

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発熱量に比べてヒートシンクが大きいため、熱平衡に時間がかかり2時間ほど放置後に約310mVに調整しなおしました。(本記事アイキャッチ写真参照)時間がかかりましたが、1ユニット通電確認完了です。次回はさらに1ユニット電源配線を行い、両アンプユニットの最終調整を行います。

 

つづく(製作編22)