Hi-ch用トランジスタアンプ製作(製作編24)

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製作編24

残りのアンプユニットの終段電源オン後の電流経過をモニタします。

3ユニット終段電流経過モニタ

前回の記事でアンプ1の左側のアンプユニット(1-L)の終段電流の経過モニタをしました。同条件で測定を行うためには、アンプユニット自体が十分冷えた状態から観測を行う必要があります。スタート時のアンプユニットの温度を考慮して下記の順番で進める事にしました。

1)2-L

2)1-R

3)2-R

前回の測定から4日間たっていますので、全アンプユニットは冷えた状態です。測定は前回と同様に電圧増幅段の電源オンして、1分間待ってから終段の電源をオンして測定をスタートさせます。気温は前回の測定時よりも低く、18℃設定でエアコンを運転して室温は若干18℃上回る状態としています。上記の順番に従い、2-Lの測定を行いました。結果は以下のとおりです。

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前回測定の1-Lの結果との比較となります。縦軸と横軸は前回の測定に合わせています。室温が前回比で2℃以上低かった為か、まだ安定には達していない状況です。測定時は時間軸を対数視点で見ていなかった為に気づきませんでした。バイアス調整時には、電源オンして長時間ほったらかした後に0.47A~0.49Aに調整した事を思い出しました。少なくとも温度補償回路は働いている事が確認できましたので、追加試験はしない事にします。

アンプ2入力配線

今日中に3ユニットの測定を行うつもりなので、アンプ2のクールダウンも兼ねて入力配線をおこないました。作業性が悪いのでXLRパネルコネクタを取り外してケーブルを取り付けます。

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入力電線には、2芯のシールドケーブルベルデンの1503Aを2本使い、芯線をHot/Coldの1本づつ使って配線しました。2本のシールドケーブルの端末をインシュロックで固定し、その状態でXLRコネクタにハンダ付けしました。

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それを改めてリアパネルに取り付けました。

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続いて反対側の端末をアンプユニット入力端子台へ接続します。最初はHot側の入力配線を行います。ハンドルのねじ部分と入力端子台間のクリアランスが少なかったですが、接続作業は問題なくできました。

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続いてColdアンプユニットの入力配線も同様に行いました。

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写真は追加で2カ所2本のケーブルをインシュロックで固定しています。いい感じで配線できたとおもいます。

アンプユニット1-R終段電流経過観測

次はアンプユニット1-Rの終段電流の経過観測をしました。手順は今までと同様です。

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結果はアンプユニット1-Lと比較掲載しています。グラフはアンプ2の結果も考慮して縦軸を変更しました。1-Rの結果の方がばらつきは大きいですがほぼ同等の結果となっています。

アンプユニット1入力配線

アンプユニット2と同様に入力配線を行います。

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写真のとおり、アンプ2と同様にいい感じで入力配線ができました。

アンプユニット2-Rの終段電流経過観測

さすがに長時間の測定で飽きてきています。データレコーダがあるわけではないので、時計とマルチテスターとにらめっこです。結果は以下のとおりです。

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今までの結果とは異なり、1分まで電流の立ち上がりが遅くなっています。それ以降は2-Lとほぼ同じ挙動を示しています。原因はわかりませんが、1分以降の挙動がほかのユニットと同じなので気にしない事にします。時間はかかりましたが、これで全アンプユニットの温度補償回路が正常動作している事が確認できました。次回は負荷時の周波数特性の測定を行います。

 

つづく(製作編25)