まとめ編3
引き続き今回の製作のまとめを行います。
アンプ基板実装
BTLステレオ分で4つのアンプユニットを製作しました。基板4枚分です。実装に当たって下記の項目を考慮しました。
1)組立後の配線や調整を考慮した部品配置
2)帰還ループの最短化
1項については、各アンプ基板をヒートシンクを兼ねる左右のパネルに1枚づつ取り付ける為、部品配置を対称にしました。取り付けた状態で、できる限り端子台とボリュームが上側の配置となるように考慮しました。
2項は安定性と性能を考えると外せないポイントです。この為にドライバ段のトランジスタを基板上に配置し、基板内で帰還ループが完結するようにしました。
このおかげで、基板単体で20dBのアンプとして動作可能となり通電および動作確認が容易にできました。
ヒートシンク部品実装
ヒートシンクにはアンプ基板以外に終段のコンプリメンタリペアのトランジスタと温度補償用のトランジスタを実装します。加工図は以下のとおりです。
図面は右側のヒートシンク用ですが、今回ミスをしてしまい左右で基板の実装位置(高さ方向)が約5mmずれています。しっかり見ないとわからないレベルなので気にしてはいません。穴はすべてM3用に下穴をあけてタップでネジを切っています。最初にアンプ基板を取り付けます。7mmの六角スペーサをヒートシンクに取り付けて、それに基板を固定しました。
温度補償用のトランジスタは、小さな基板に実装して基板をネジでヒートシンクに固定しました。その際にトランジスタがヒートシンクに密着するようにしています。
残りは、終段トランジスタの取り付けです。小さな基板にトランジスタとエミッタ抵抗、パスコンを実装して、この状態でトランジスタをヒートシンクに取り付けました。
これでアンプユニットは完成です。
電源基板実装
電源基板は電圧増幅段用と終段用をそれぞれ基板に実装しました。実装には下記を考慮しました。
1)できる限りコンパクトに実装する
2)入出力は端子台として、できる限り各ライン専用に設ける
1項は、オリジナルのLo-ch用アンプ組立時に基板とトランスで窮屈な状態となってしまい、配線に苦労した事の反省によります。(下の写真)
各電源は72 x 47.5mmのユニバーサル基板への実装を決めました。2項は特に終段用電源基板を想定した考慮点です。ドライバ段と終段へ独立して給電するため、端子台の数が多く基板の周囲が端子台だらけとなっています。
ボトムシャーシ組立
ボトムシャーシに取り付ける部品は、上記で組み立てた電源基板2枚とトロイダルトランス2個です。トロイダルトランスは、共立エレショップで購入しました。あまり大容量のものはありませんが、今回の用途では十分な仕様です。下記が加工図です。
基板の配置は、配線を考慮しています。部品取り付けの前に、メンテナンス性向上の為に、追加加工をしました。ボトムシャーシを外さずにサイドパネルの取り外しができるように、サイドパネル固定用のネジにアクセスできるように穴を4カ所あけました。
これで、フロントパネルおよびリアパネルとボトムシャーシを接続した状態で、サイドパネルの取り外しができるようになりました。追加加工したボトムシャーシに電源基板2枚とトロイダルトランス2個を取り付けました。
ねらいどおり、余裕のある配置となりました。次回も引き続きまとめを行います。
つづく(まとめ編4)